NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ファイナルストーム」(25点/生物パニック)

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■■■「ファイナルストーム」■■■
(25点/生物パニック)

 アメリカ合衆国インディアナ州で殺虫剤の研究を行うケントは、ある日、スズメバチ用の殺虫剤の実験中に、新型の殺虫剤を浴びたハチが遺伝子に変異を起こし非常に攻撃性が増す事を発見する。
 しかもこのハチを研究所の清掃員が誤ってケージから逃がし、刺されて死亡した事から、このハチが通常のスズメバチの数倍の強力な毒性を持ち、一刺しで人間を殺し得るような恐るべき『殺人蜂』に変異している事を知る。

 彼は研究所から逃げ出した殺人蜂の行方を追い、なんとか事態を収拾しようとするが、しかしこの試験品の殺虫剤を害虫駆除業者が誤って持ち出してしまい、使用してしまった事により街中に大量の殺人蜂が発生。

 おりしも、全国『BBQコンテスト』開催のフェスティバルで盛り上がっていた街は、殺人蜂の出現によって大パニックに陥るのだった…


 突然変異によって発生した『殺人スズメバチ』の大群によって引き起こされるパニックを描いた、生物パニックホラー映画。

 新型の殺虫剤の影響でスズメバチが凶暴化して人間を襲うようになり、研究者はその危険性を市長だかに警告するんだけど、街はおりしもフェスティバルの準備中で市長は聞く耳を持たず…うにゃむにゃ……

 といった感じの、ホラー映画ファンならこの『超短い説明』だけでどんな話なのか観ないでも90%の内容は予想できてしまうような、なんともベタベタの生物パニック映画です。

 別に『ストーリーがベタベタな事』そのものは悪い訳ではないのですが、とにかく低予算で全体的にションボリな内容なのが辛い…

 あまりにもテンプレートどおりに作られた生物パニック映画であるが故に、テンプレに沿いすぎてて意外性が全く無く『内容がショボい分だけ観る辛さが増していく』という『負のスパイラル』が発生してるのが困り物。

 何がショボいって、殺人蜂が街に現れた際に街でフェスティバルが行われてて、会場が大パニックに…という、まあパニック映画ではありがちな展開が発生するんですが、『街を上げてのお祭り』の筈なのに、この会場に来ている観客の数が30人程度。

 しかも、市長は『街の収益に影響するからフェスティバルは中止出来ない』って、どんなショボい街だよ?

 しかも『一刺しで人間を殺せる』ような猛毒を持った殺人蜂の筈なのに、襲われている人は全く死なず、まあそれは『マトモにパニックを描くだけの予算が無かったんだね…』と納得な訳ですが…

 どういう訳か、汚職を働いていた市長悪徳警官性格の悪い女性アナウンサーとかだけは、しっかり刺し殺してくれます。
 もしかして、この殺人蜂には『悪人判別センサー』でも搭載されてますか?

 ストーリーで一番盛り上がるべきである『殺人蜂の退治の方法』も、なんの捻りも無い『大爆発』で全滅。(まあ、『大爆発』も描けない程の低予算映画よりはマシなんですが…)

 そして殺人蜂を全滅させた後に、主人公とヒロインがくっ付いて…
 って、いやいや、そんな恋愛関係に発展するような伏線は何処にも無かったんですけど…俺が寝そうになった隙に見逃してただけですか?


 っていうか、この映画の脚本を書いた人は、あまりにも『適当に話を作りすぎ』だと思います。

 B級ホラーに何枚かの『ホラー映画の設定』を書いた紙を空中に放り投げて、その中から『表を向いた物だけ』をピックアップして脚本を書いたとしたら、多分こんな感じの話になるのではないか?と思える程の脚本適当っぷりは、流石に如何なものかと思う訳ですよ…

 しかし、どうせショボいなら『目も当てれないぐらい酷い出来』ならば、いっそネタとして笑えて良かったんでしょうが、『かろうじて映画として成立している』所が、『この映画の微妙っぷりを増幅させている』気がするのは俺だけですか?


 総評としましては、良い点も悪い点もひっくるめて『物凄くどうでもいい映画』です。

 普通にホラー映画として観るにも微妙ですし、ネタ映画として観るにも微妙…

 微妙すぎてあまりに誉める部分が見当たらないですが、別に『観るのが苦痛』な訳じゃなく『微妙』なだけなんで、まあ『我慢しなくても観れなくは無い程度の映画』ではあるんですけどね。