■■■「バタリアン5」■■■
(50点/ゾンビ映画)
ある日、軍の関係者である叔父の死を知らされたジュリアンは、叔父の部屋で遺品を整理中に偶然にも屋根裏の隠し部屋を発見し、そこで恋人のジェニーと共に『密閉されたドラム缶のような奇妙な容器』を発見する。
容器の中身が化学薬品だと判断した彼らは、化学オタクである友人のコーディに分析を依頼したところ、ドラッグに非常に近い成分だと判明する。
ジェニーの弟のジェレミーは、これをこっそり精製して新型のドラッグを作り、売りさばく事を思いつく。
しかし彼らはまだ、この薬品「トライオキシン5」が、数年前にゾンビ事件を引き起こす原因となった、軍の恐るべき発明品である事を知らなかったのだった…
「バタリアン・リターンズ」以来10数年ぶりですが、何故か最近になってシリーズの続編がにわかに作成されだした、ゾンビホラー映画「バタリアン」シリーズの最新作です。
しかし、久々の新作という事で期待してた「バタリアン4」は、ぶっちゃけ超絶微妙だったので、本作も『どうかなぁ?』と期待半分に鑑賞してみたのですが…
前作みたいに、『どこに「バタリアン」シリーズにする理由があるのか分からない』ような酷い出来では無く、B級ながらも割と普通に楽しめる作品となっており一安心でした。
「バタリアン」シリーズというと、やっぱ『パロディホラー』という印象が強いのですが、本作は1~2作目の頃のようにパロディ&コメディ風味が強めなノリになってるのは、旧作のファンとしては嬉しいところ。
ゾンビに襲われてる民間人を問答無用にバズーカでゾンビごとフッ飛ばす軍のエージェントやら、菜食主義者のキリスト教信者の集団がゾンビになって人を襲いまくるシーンやら、なかなか不謹慎で笑わせてくれます。
オチのシュールさも結構キテる感じですし、ブラックなコメディのノリが好きならば、結構楽しめるんじゃないでしょうか?
ただ、「バタリアン」シリーズの伝統である『何をやっても死なない無敵のゾンビ』の設定は今回でもスッカリ無くなっており、ゾンビは頭を撃ち抜かれるだけでアッサリ死んでしまうようになっているのは少々残念な所。
まあしかし1作目みたいに『絶対無敵の存在』にしちゃうと、収拾が付かなくなって『投げっぱなしオチ』以外の落とし所が無くなるので、この辺は致し方なしなのかなぁ?
あと、B級ホラーとしては良く出来てる作品だとは思うのですが、個人的には『パニックシーンの短さ』がちょっとだけ気になったかなぁ…
特に終盤が、盛り上がるまでの前振りが長すぎてちょっとダレるので、もうちょっとゾンビが暴れるシーンが多くても良かったかも?
ラストも、もうちょっとムチャをやっても良かった気がしますし、もう一歩ハチ切れれば非常に面白い作品になったと思うので、全体的に惜しい感じのする映画でしたよ…
総評としましては、「バタリアン」シリーズとしてはさておいても、普通に『パロディ風味ゾンビ映画』として観るならば、それなりに楽しめるレベルの一本だと思います。
「バタリアン4」は、正直言ってシリーズ新作とは認めたくないような出来の映画でしたが、本作は個人的には『これならば新シリーズとして許せるかな?』というような感じの出来の作品でした。
まあ、この辺は旧作への思い入れによって差があると思いますので、あまり気負わずに観るのが良いのでは無いかと…
あと余談ながら、パッケージに『タールマン復活』とか書かれてますが、当然ながら本編にはあまり関係ありません。(まあ、確かにソレっぽいゾンビは出てくるんだけど)
つか、初代「バタリアン」の『タールマン』とか『オバンバ』って、日本で和訳の時に勝手に付けられた名前なんで、そんなもんが『復活』する訳無いんですけどね。(笑)
どうでもいいけど、『オバンバ』と『タールマン』はともかく『ハーゲン・タフ』とかになると覚えてる人は居なそうだよなぁ…とか思いましたよ。