NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ルール5」(20点/冒険ミステリー)

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■■■「ルール5」■■■
(20点/冒険ミステリー)

 アメリカのロジャース高校で、アメフトチームの部員達が『突然に幻覚を見て昏倒する』という怪事件が立て続けに発生する。

 原因不明で昏倒する犠牲者は遂に3人に登り、そのアメフト部員達の共通点は『いじめられっ子グループを恐喝してお金を巻き上げていた』という事。

 この高校には、10年前に失恋を苦に首吊り自殺をしたエイベル・フライといういじめられっ子の伝説があり、その事からいじめっ子に復讐する『エイベルの呪い』の噂がまことしやかに囁かれていた。

 この怪事件の謎を解明するべく、アメリカで『怪事件』や『特殊犯罪』を調査する政府直属機関である『ヴェリタスチーム』のメンバーであるエリーシャとイライジャの姉弟は、高校へと潜入捜査を行うために派遣される事となったのだった…


 一応「ルール5」とタイトルこそ付いていますが、日本における「ルール」シリーズ「ルール1~2」と「ルール 封印された都市伝説」以外のタイトル(3~4)は、全く別作品に邦題で勝手に「ルール」というシリーズの冠だけを付けた『なんちゃって続編』な訳ですが…

 本作もあらすじを読めば分かるとおりに、「ルール」シリーズなんて微塵も関係ないような全く別のお話です。

 っていうか、今までのシリーズは「ルール」のタイトルを勝手に冠する事に『不満』こそあれ、『まあ、作品イメージとして分からなくはないかな?』という感じもしてたんですが、ぶっちゃけ本作は「ルール」というタイトルを付ける意味が全く分かりません。

 いや、今までの『なんちゃって続編』も確かに『どうだろう?』と思う部分は多々あったものの、一応『都市伝説を題材としたサスペンスホラー』という点で一貫したテーマがありましたが、本作はそもそも『ホラーどころかサスペンスですら無い』のですよ。

 本作の主人公達はあらすじでも書いたように『政府直属の特務機関』だかのメンバーで、『両親と姉弟の4人家族で協力して事件を解決する』ってとかって設定で…
 ぶっちゃけて言うと『「スパイキッズ」の設定で「X-FILES」風の『特殊犯罪』の捜査を行う話』とでも言えば分かりやすいかも。

 本作の比喩としてスパイキッズのタイトルを出したのには他にも理由があって本作は家族ぐるみの捜査と言いながらも、主人公はアクマで『子供たち2人』。

 子供が主人公で、更に『サスペンスですら無い』という設定が何を意味するかと言いますと…
 要はこの映画、ホラーじゃなくて『ファミリー向け(というか子供向け)の冒険娯楽作品』なのですよ!!


 いや、別に映画ジャンルとして『ファミリー向け映画』を否定するつもりは無いですし、私自身もそういったジャンルの映画は結構好きで良く観るほうです。

 …が、しかし、まがりなりにもスラッシャーホラー映画である筈の「ルール」シリーズの最新作を借りてみたら、実は人畜無害な『ファミリー向け映画』だったなんて、そりゃあガッカリもガッカリ、問答無用のガッカリ感って感じですよ!!

 まあ、それでも映画そのものが面白けりゃ、まだ救いがあるんですが…
 困った事に、この映画そのものがサッパリ面白くない。

 一応はミステリー風の設定になってるんですが、いかんせん『子供向けな内容』だけに、ストーリーの中盤辺りで容易に犯人の予想が付いてしまう上に、展開も特にコレといった捻りも無し…

 また、ホラーっぽい描写はあっても当然ながら残虐描写なんかある訳も無く、そもそも子供向けの内容であるが故に『あまりに酷い展開』とかにはならない事が織り込み済みなので、話がサッパリ盛り上がらずに超退屈。

 主人公の2人の兄弟もいま一つキャラが弱くて魅力が薄いですし、サブキャラである『いじめっ子』とか『堅物の体育教師』とかのキャラクターも『何十年前のデザインだよ?』って感じで、なんか現実味が全くありません。
 (でも、『いじめられっ子』は矢鱈とパンクファッションだったりして、ちょっと謎。 つか、あんなワイルドなオタクキャラを苛める度胸のある奴は居ないと思う…)

 何か一つでも見所があれば良かったのですが、ぶっちゃけ中盤以降のあまりの退屈さに耐え切れずに思わず『倍速再生ボタン』に手が伸びてしまい、久々に映画を早送りで観てしまいましたよ…

 あと余談ながら、この映画って何となくお話を見た感じからして微妙に『シリーズ物っぽい雰囲気』を漂わせてたので、『別のTVシリーズを映画化したものか、子供向けコミック(アニメ)の実写化作品なのかな?』とか思ったのですが、こういったシリーズがどっかにあるんでしょうか?


 総評としましては…少なくとも「ルール」シリーズの新作としてこの作品を見せられた日には、『面白い』とか『面白くない』とかのレベルを通り越して、むしろ『たまったもんじゃ無い!!』って感じの作品でしたよ。

 まあ最初から『ファミリー向け映画』と理解して借りてれば、もうちょっと感想も変わったのかもしれませんが、それでもやっぱ『イマイチな映画』という印象は拭えないでしょうね…

 ホラーやサスペンス映画が好きな方は、うっかり間違えて借りてしまわないようにご注意下さい。