NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「鳥」(30点/生物パニック)

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■■■「鳥」■■■
(30点/生物パニック)
 閑静なベルリンの郊外へと引っ越してきた新婚夫婦。
 妻のアレックスは間近に出産を控えて、少々ナーバスになりながらも幸せな生活を送っていた。

 しかしそんなある日、引越し先の近所でカラスによる家畜や人間への襲撃事件が相次いで発生しているとのウワサを聞き、実際に彼女自身もバーベキューパーティの最中にカラスの組織だった攻撃を受けて食べ物を奪われるという経験をする。

 獣医でもある彼女はカラス達の異常なほどに組織だった行動に疑問を持ち、カラスの襲撃事件を調査しはじめるが、やがてこれらの事件がある研究者の行った『カラスの知能を強化する遺伝子操作実験』で誕生した実験体が逃げ出した事に原因があると気付き、やがて起こるであろうカラスの襲撃による大パニックを防ぐ為にその危険性を人々に警告しようとするが…


 知能が強化され組織だった襲撃を行うカラスの大群の恐怖を描いた、ドイツ製の生物パニックホラー映画。

 タイトルがまんまアルフレッド・ヒッチコックの傑作パニック映画』と同じですが、別にリメイクでも何でもなく完全に別のお話です。

 っていうか、原題はドイツ語で「THE CROWS」という意味らしいですし、内容もカラスの大群しか登場しないので、「鳥(とり)」というより「烏(からす)」といった方が相応しいような映画かも?

 内容に関しては、導入部分とかは結構良い感じなのですが、中盤以降が冗長というか…とにかく事件が起こらない。

 中盤まで話が進んでも、特にコレといった大きな事件が発生しないので、『なんか展開の遅い映画だなぁ…』と思いながら観てたのですが、残り15分ぐらいを切っても全く事件が起こらないので『どうなるんだろう?』と思いきや…
 ぶっちゃけて言ってしまうと、なんと、最後の最後まで何の事件も発生しないまま物語が解決してしまいます!!
 (まあ『カラスの集団に食べ物を奪われる』程度の事件は発生するのですが…あ、一応、一人だけ犠牲者も出たか? 既に死んだ後だったけど…)

 いや、『展開が冗長』ってのはB級ホラー映画の評価を書く時に、私が良く使う表現の一つなんですが、なんかもう『冗長ってレベルじゃねーぞ!!』って感じの映画です。

 そりゃ、『主人公が事件を未然に防ぐ為に活躍する』のは分かりますし、現実なら実際に事件が未然に防げるのに越した事は無い訳なんですが…

 パニックシーンが売りの映画で、ホントに事件を未然に防いじゃってどうするのよ!?

 ストーリー自体はそこまでツマんなくも無い…というか、割とそれなりに面白いレベルだし、特撮やCGも比較的お金がかかってそう『そこそこ観れるレベルの映画』なのに、肝心の『盛り上がるシーンが全く無い』為にとにもかくにも消化不良。

 『フルコースの料理を食べに行ったのに、割と美味しい前菜だけ出されて終了した』みたいで、ホントに『なんだかなぁ?』って感じでしたよ…


 総評としましては、映画そのものの完成度は悪く無いのですが、とにかく『物足りない映画』ですね。

 これで、映画そのものがクソならば『どうしようも無いクソ映画』で終わるのですが、映画自体が中途半端に良く出来てるのが余計に物足りなさを増幅させてるとと言うか…なんとも勿体無い映画でした。

 とりあえず、『生物パニック映画』としてはションボリな内容なのであまりオススメはしませんが、映画そのものはそこまでツマんなくも無いので、まあその辺はお好みで…と言った感じでしょうか?