■■■「プレスリーVSミイラ男」■■■
(40点/コメディホラー)
エルヴィス・プレスリーは生きていた!!
30年前にスーパースターとしての生活に疲れた事から、自分のソックリさんと入れ替わって生活を送っていたエルヴィス・プレスリーは、ある日、事故によって腰を強打し昏睡状態に陥って病院へと運ばれる。
20年後に目を覚ましてみると、入れ替わっていた自分の『ソックリさん』がエルヴィス本人として死亡しており、自分は本物のプレスリーだと言っても誰からも信じて貰えずに老人ホームで一人寂しい老後を送っていた。
しかしそんなある日、彼の暮らす老人ホームに唐突に謎のミイラ男『ババ・ホ・テップ』が出現。
自分を『暗殺を生き延びたJFK』だと思い込んでいる友人のジョンと共に怪物の事を調査した彼らは、ミイラ男が老人たちの魂を食べる事で生きながらえているという恐るべき事実を発見する。
エルヴィスは、スクリーンの上でヒーローだった過去を思い出し『本物のヒーロー』となる為に一念発起して、老体に鞭打ってミイラ男と戦う決意をするが…
実は生きていたエルヴィス・プレスリーが老人ホームに突然出現したミイラ男と対決するという、かなり謎な設定のコメディホラー映画。
『エルヴィスは生きていた!!』というと、アメリカのゴシップ誌では未だにしょっちゅう記事にされるゴシップネタの一つですが…
本作は、ソレだけでは飽き足らずに『老人ホームに突然現れたミイラ男』と対決するという、もはや理解不能のナンセンスなお話です。
(一応、ロックンロール界の王(キング)ことプレスリーと、古代エイジプトの王(ファラオ)であるミイラ男が対決するという企画らしい)
もうこのストーリーの設定だけでも、普通に考えて十分に訳が分からないんですが…
何と本作の監督は「ファンタズム」等の名作で知られるファンタジーホラーの巨匠であるドン・コスカレリ監督。
加えて主役のエルヴィス・プレスリーを、「キャプテン・スーパーマーケット」(死霊のはらわた3)のアッシュ役で有名なブルース・キャンベルが演じると言う、ホラーマニアから観ると無意味に豪華なスタッフ&キャスティング…
いやいや、お前らもうちょっと仕事を選べよ…っていうか、ドン・コスカレリ監督はこんな映画を撮ってないで、早いところ「ファンタズム」シリーズの続編を撮ってシリーズを完結させて下さいヨッ!!
とまあ、ホラーオタク以外には意味が分からな無さそうなツッコミはこの辺にして、肝心の本編ですが…
流石にコスカレリ監督が撮ってるだけの事はあって、映像のセンスとかは悪く無いと思うんですが、いかんせん全体的にお話がマッタリしすぎな感じがありますね。
舞台が老人ホームという事もあるんですが、なんともお話全体にマッタリとした空気が流れており、全体的に話の流れがスローテンポで『ミイラ男の襲撃シーン』とかを取っても、いま一つ盛り上がりません。
特にエルヴィス(歩行補助器具使用)と、自称・JFK(車椅子使用)の2人がミイラ男と対決するアクションシーンは、もう驚くべきスピード感の無さ!!
いやまあ『この設定でスピード感を出せ』って言っても、そりゃ無理な話でしょうが…
エルヴィスの過去が語られるシーンや、老体に鞭打って立ち上がろうと決意するシーンなんかはなかなかに盛り上がるんですが、どうしても間延びしてしまうシーンが多くて冗長なんですよね…
まったりな雰囲気は『狙って行われた演出』だとは思うんですが、映画全体にもうちょっとスピード感がを出すか、コメディ風のシーンを増やすなりして作品のテンポが良くなれば、もっと楽しめる映画になったかも?
総評としましては、タイトルや設定のインパクトの割に内容は少々地味で『タイトルにインパクト負けしてるかなぁ?』と感じる映画でした。
別に壊滅的にツマんないような話じゃ無いんですが、コレと言った見所の無さと、テンポがスローペースすぎるのが微妙な感じかなぁ…
キャスティングや監督からすれば、『ホラーファン的には、ネタ映画としてチェックしといても良いかな?』とも思いますが、特に推奨もいたしません。
あと予告観て知りましたが、この映画って日本でも一応『劇場公開映画』だったんですね…こんな映画どこで公開してたんだよ?