NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「サイレントノイズ」(60点/心霊サスペンス)

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■■■「サイレントノイズ」■■■
(60点/心霊サスペンス)

 建築家のジョナサンは、最近になって再婚した妻のアンナ、子供のマイケルと3人で幸せな生活を送っていた。

 ある日、ジョナサンはアンナが妊娠した事を教えられ、ささやかなお祝いを開こうとするが、その日の晩にアンナは自動車の修理中に川に転落したと思われる事故に遭い、そのまま行方不明となってしまう。

 妻の無事を信じて待つジョナサンだったが、そんな彼の元にレイモンドという謎の男性が現れ、アンナは既にこの世には無く、EVP(電磁音声伝達現象)によって録音された霊界からのエッセージを受け取っていると告げる。

 最初は男の言う事を信じなかったジョナサンだったが、やがてアンナの死体が発見されるに至って、半信半疑ながらこのEVPを試してみようとするが…


 霊界からの声を受信する、「EVP(電磁音声伝達現象)」と呼ばれる謎の心霊現象を題材とした、心霊サスペンス映画。

 「EVP」と言っても、オカルトに興味の無い普通の人にはサッパリな現象だと思いますが、カセットテープ等で音楽やインタビューを録音してると、『霊の声が偶然に録音される』とかって現象の事で…。

 某有名アーティストのCDの曲の途中に謎の声が入っており『幽霊の声か?』とかってウワサされる事がありますが、アレなんかもいわゆるEVPの一種ですね。

 本作は、『霊の声を聞く』というテーマの内容からして、最初は『心霊をちょっとだけモチーフとして使ったサスペンス映画なのかな?』と思って観てたのですが…
 内容的には、むしろその逆で『ちょっとだけサスペンス的な雰囲気を持たせた心霊映画』といった感じで、普通にオカルト映画してて結構怖かったです。

 特に本作でなかなか秀逸だったのが、怖がらせるシーンの『引っ張り方』ですね。
 アメリカのショッカー映画にありがちな、こけおどし的に突然『ドン!』とくるのではなく、『さあ来るぞ、さあ来るぞ!』という溜めの時間が効果的に使われており、見せ方のノリが若干Jホラーに近い感じがします。

 ストーリーの引っ張り方もなかなか上手くて、話の展開自体は非常に地味なんですが次々に新しい謎が登場して来て、効果的に視聴者の興味を持続させる作りになっているのは上手い所。
 でも、中盤の展開が少々スローすぎて、若干眠くなるようなシーンが続くのは気になったかなぁ…

 また、全般的に結構良く出来てる映画だとは思ったんですが、終盤までは結構面白い割にラストが『いかにもハリウッド映画』的なハデな力技で、『ここまでのテイストは何だったんだ?』って感じの強引なオチなのは微妙に納得いかなかったかも?

 もうちょっと後をひくような印象的な終わり方になってれば、結構良い映画になったと思うので、ちょっと惜しい所ですね。


 総評としましては、若干の不満点はあるものの『心霊サスペンスとしては十分に及第点』な映画だと言えるでしょう。

 いかにもハリウッド的な展開を予想してて身構えてなかったのですが、お話そのものは普通に怖かったので『地味だけどそこそこ怖い映画』を観たい人なら、とりあえず観ておいて損は無い一本かな?

 過剰な期待をしなければ、それなりには楽しめる作品だと思います。