■■■「DEATH GATE 11:11」■■■
(40点/心霊サスペンス)
幼い頃に脱獄囚が家に押し入り目の前で両親を殺されたサラは、そのトラウマから情緒不安定となり精神安定剤を服用して生活していた。
症状も安定し穏やかな大学生活を送る彼女だったが、ある日を境に死んだ筈の母親の幻影をやたらと見るようになり、また、母が殺された日にその死体の側で見た『11:11』という暗示的な数字をあちこちで見かけるようになる。
事件が、この『11:11』という数字にまつわる予言と関係があると考えたサラは、友人のセスと共にその予言と真相との調査を開始するが…
『11:11』という謎の数字に秘められた予言を題材とした、カナダ製の心霊サスペンス映画。
序盤は、割と普通の『心霊現象を題材としたスリラーかな?』と思いきや、後半からちょっと意外な展開に…みたいな感じのサスペンス映画です。
お話そのもののノリは悪く無いとは思うんですが、なんというか全体的に『作り込みが甘いかなぁ?』という印象を受ける作品で…
序盤から、一応は『怖がらせよう』と狙ったっぽい恐怖演出はあるんですが、どうにも演出が淡白すぎてイマイチ怖くなくて、物語が淡々と進む感じで盛り上がりに欠けます。
また、人間関係がいまひとつ分かりづらく『え、この人って誰だっけ?』みたいな状態になってしまい話に入り込み難いのも、物語の淡白さや冗長さを助長してるかも?
(つか、ヒロインの『子供時代と大人時代の顔』が違いすぎて、一瞬誰だか分からなかったのは私だけ?)
中盤の『11:11』の予言にまつわる謎解きは、風雲急を告ぐ展開っぽくてなかなか面白いんですが、『風雲急を告ぎすぎて終盤が収拾が付かなくなってる』感が漂う展開でもあるのは流石にどうなんでしょう?
特に私は『11:11』の予言の正体が最後までサッパリ分からずに、ラストシーンの意味も1mmも理解出来なかったんですけど…コレは私の理解力不足が原因!?
いやまあ、作品の狙いや意図せんとしている方向性は見えるんですが、ここまで収拾が付かなくなるぐらいなら、『11:11』の予言は必要なくて普通に『悪霊が登場する心霊サスペンス映画』にして、恐怖演出に特化するような作りにしておいた方が良かったんでは?
…とか思ってしまったのは、私だけでしょうか?
(『11:11』って本作のタイトル(原題)にまでなっている要素を省けってのは、無茶な話かもしれませんけどね。)
総評としましては、『掴み』や『方向性』は結構良い作品だと思うんですが、どうにも色んな方向に中途半端で微妙な作品といった印象を受ける映画です。
『狙いは悪くは無い作品』だとは思うのですが、作ってるうちに『製作者自身にも、どこを狙ってるのか分からなくなった作品』のような気がするのは私だけですかね?
もうちょっと、しっかりと『ホラー映画然とした内容』になってれば、それなりに面白い作品になったのでは?と思うので、ちょっと残念な作品ですね。