■■■その18『聖戦士シリーズ探索の旅』■■■
*
聖騎士の亡霊の告げた手がかりを元に「聖戦士シリーズ」の武器の探索で全国を行脚する俺様だったが…
ある日の探索の途中に、なんとなく「聖騎士の教会」へ戻ってみると、見知らぬオッサンがテーブルに付いてメシを飲み食いしている。
何じゃこのオッサンは、ホームレスの不審者か!?
…と警戒しつつ、声をかけてみると、何でも俺様の活躍を知って「九大神の聖騎士」に加えて欲しいという志願者らしい。
そういや、「聖戦士の武器」を探しに言った教会のどこかで会った顔かもしれない…
どうも、この世界は『パッと見が似た顔の連中』が多いので、人の顔の見分けが付きにくくて困る。
どうも、この世界は『パッと見が似た顔の連中』が多いので、人の顔の見分けが付きにくくて困る。
特に『戦士ギルドの守衛』なんかは、どこの街に行っても同じ顔をしているような気がするんだが…
奴らはもしかして先祖代々ギルドの守衛をやってる『守衛一族』か何かで、実は全員が兄弟だったりするんだろうか?
奴らはもしかして先祖代々ギルドの守衛をやってる『守衛一族』か何かで、実は全員が兄弟だったりするんだろうか?
*
いやまあギルドの守衛の話はさておくとして、どうやら俺様は何時の間にやら「九大神の聖騎士」として世間に認知されてしまったらしい。
特に誰に言い触らした記憶もないんだが、もしかして俺が見てない隙に『聖騎士の亡霊』どもが街に出向いてウワサをしてまわったりしてるんだろうか?
まあ亡霊のクセに、闘技場に試合を見に来てるぐらいの連中だからなぁ…
しかし、俺様は既に「ブレイズ騎士団」とか「白馬の騎士団」とやらに任命されているのだが、「騎士団」というのはクラブ活動みたいに簡単に掛け持ちして良いものなのか?
そうだとしても、そもそも「ブレイズ騎士団」とか「白馬の騎士団」の仕事も最近めっきりやってないので、『幽霊部員』ならぬ『幽霊騎士団員』も良いところである。
まあ聖騎士の連中も、既に『亡霊騎士』なんだし別にいいか?
…って、誰が上手いこと言えと言ったッ!?
*
おっとすまない、また話が横道に逸れてしまったようだ…
とりあえず、「聖騎士団」に加わりたいと言うのは貧相な感じのオッサンだが、まあ仲間の頭数が増える分には良いことなので寛容な俺様はオッサンに仲間に加わる事を許可した。
後に「聖騎士団」のメンツは、俺様が「聖戦士シリーズ」を調達する度にメンバが増えていく事になるのだが、まあソレはまた後の話だ…。
*
聖戦士シリーズ武具を集めるに従って、『聖騎士の仇敵』である「ウマリル」というデイドラの王が復活しているという話を知った。
「聖騎士の亡霊」どもは、どうやらこの「ウマリル」という敵を完全に討ち果たす事を悲願としているようだが、個人的には『強力な武器』が手に入れば良い俺様としては、そのウマ公がどうなろうが知ったことでは無い訳だが…
しかし敵の方は、そうは思ってくれなかったらしい…
*
俺様が「聖戦士の武具」を求めてとある街の聖堂に立ち寄った際に、ウマリルの尖兵である「オーロラン」という『黄金騎士』のような外見をした魔物どもが聖堂を襲撃してきやがった。
魔物どもの狙いは勿論俺様なのだろうが、奴らは無差別テロのごとく聖堂の人間を攻撃しはじめたので、聖堂の連中に死なれるのも気分が良くないので、聖堂に現れた黄金騎士どもを殲滅した俺様だったが…
どういう訳だか、聖堂の中に居る黄金騎士どもを全滅させても、一向に戦闘が終了する気配が無い。
そういえば、戦闘の最中に聖堂の外へ向かって逃げ出したシスターを追って、黄金騎士の1人が外へ出て行った気がする…
もしかして『外で戦闘が続いているのか?』と思い、俺様が聖堂の外へ出てみると、外へと逃げ出した筈のシスターが入れ違いに『やあ、こんばんは』とか俺様にフランクに声をかけながら聖堂の中へと戻っていった。
『まあ、外で警備兵か誰かが黄金騎士を退治してくれたのだろう、なんとも暢気なもんだ』…と思い、とりあえず俺様も聖堂に戻ろうとしたところ、俺様の横を魔界の黄金騎士が悠々と歩いて聖堂の中へ戻っていった。
…って、おいおい、どういう事だ!?
お前ら、いつの間にそんな仲良くなったんだよ?
お前ら、いつの間にそんな仲良くなったんだよ?
何が起こっているのか分からずに俺様も慌てて聖堂の中に戻ると、シスターと黄金騎士の二人は何事もなかったかのようにツカツカと聖堂の中央付近まで歩いていき、中央付近に到着したと同時に雄叫びを上げながら戦闘開始。
時々思うのだが、この世界の連中は『俺様が見ていない時はさりげなく手を抜いている』ような気がするんだが…
コレは俺様の思い過ごしか?
コレは俺様の思い過ごしか?
*
そんなこんなで釈然としないものを感じながらも、とりあえずは「ウマリル」とかって野郎の気持ちは分かった。
俺様を排除したいと考えているなら…良いだろう、相手になってやろうじゃないか。
ウマの分際で、俺様に楯突いた事を後悔させてやろう。
ウマの分際で、俺様に楯突いた事を後悔させてやろう。
そもそも手下どもが『黄金の鎧』とか着てて、俺様よりもゴージャスな格好をしているのも気に入らないしな…
そんな訳で、決意も新たに「聖戦士シリーズ」の武器の探索を続ける俺様だった…
(その19に続く…?)