NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ファイナル・デッド」(50点/生物パニック)

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■■■「ファイナル・デッド」■■■
(50点/生物パニック)

 ジョンとマットの兄弟は、他界した動物愛護活動家の叔父より『無人島に立つ一軒の屋敷』を相続する。

 彼らは大学生活の休暇を利用して、友人達と共にその島へとバカンスに訪れるが、無人島である筈の島で一匹の子犬を発見。
 逃げ出した子犬を追ううちに、突然現れた親犬と思われる犬に仲間の一人のサラが噛まれて、軽傷を負わされてしまう。

 この島に過去に犬の訓練施設があり、その施設が『狂犬病』か何かの疫病が流行した為に、犬が全て処分されて閉鎖されたという事を思い出した彼らは、サラが狂犬病に感染してしまったのでは無いかと心配するが…


 バカンスに来た若者たちが正体不明の犬の群れに襲われるという、閉鎖環境型の生物パニック映画。

 タイトルには「ファイナル・デッド」とかって邦題が付いてますが、別にゾンビが出てくる訳でも無いですし、ファイナル・デッドコースター」のパクリという訳でも無いので、何でこんなタイトルを付けたのかは不明…

 っていうか、このタイトルから、犬の群れが人間を襲う『生物パニック映画』を想像出来る人は普通は居ないと思うので、逆に邦題で損をしてる気が…
 ちなみに、原題は「THE BREED(繁殖)」

 製作総指揮にエルム街の悪夢で有名なウェス・クレイヴン監督が加わっているとの話ですが、確かにストーリーの運び方やテンポの良さにソレっぽい部分を感じますね。

 お話自体は派手さは無いですが、非常に軽快にサクサクと物語が進むのが好印象な作品です。

 人間を襲うのが、見た目に『ごく普通の犬(シェパード)』なので、いま一つ迫力に欠ける感はありますが、犬という生物はもともと『演技が出来る生き物』なので襲撃シーンにCGとかに頼らない『リアルな緊張感』が出ているのは、なかなか良い点でしょう。

 ただ襲撃シーンごとの緊張感はあるものの、いかにも低予算らしく登場人物が異常に少ない事もあって、余りにも死ぬ人間が少ないため『簡単に展開が読めてしまう』のが辛いところ。
 緊張感を出す為に、もうちょっと『殺られ役』のキャラが何名か居ても良かったかも?

 あと、人間側のキャラ立ては割とよく出来てると思うのですが、犬側のキャラ立てが上手く成されておらず、どうにも『凶暴な犬が淡々と襲撃を繰り返す』みたいな印象になってしまっているのが勿体無い。
 (一応は『ソレっぽい設定』があるようなんですが、余りにも説明不足。)

 この説明不足の弊害かオチに関しても『余りにも中途半端な印象』なので、物語の設定を含めて、もうちょっとシッカリと描いて欲しかったかな…

 この辺がもっとキチンと作られて居れば、もっと良い映画になったかも?


 総評としましては、全体に地味な印象の話ながら『コンパクトにまとまった生物パニックホラーの良作』といった感じの一本です。

 非常にテンポ良く『ごく普通に楽しめるホラー映画』だと思うので、この手のジャンルが好きな人なら観ておいて損は無いでしょう。

 目新しさや派手さは無いですが、特にソレがマイナス要素にもなっていないので、『堅実に一本の生物パニックホラーを楽しみたい』という人なら是非。