■■■「ストーン・カウンシル」■■■
(40点/冒険サスペンス)
不妊に悩むローラは、シベリアのイルクーツクの孤児院で「リウ=サン」という名前の男児を養子として引き取る事となる。
男児と共にパリで暮らすローラだが、リウ=サンの成長に伴って何故か『2人が同じ夢』を見るようになり、また7歳になったリウ=サンの胸に『奇妙な形のアザ』が現れているのに気付き、流石に不思議に感じた彼女は、医者へ「リウ=サン」を連れて行くが、特に異常は無いので心配無いと言われる。
しかし、その翌日の友人宅からの帰宅途中、深夜の山道を車で走行中に車に向かって突っ込んできた「タカ」を避けようとした彼女は、車が横転する程の大事故を起こしてしまい病院へと運び込まれてしまう。
幸いにも一命を取りとめた彼女たちだったが、事故の翌日に『病室に居た筈のリウ=サンが何者かの手によって拉致されてしまった』事に気付いた彼女は、息子の行方を追って単身で捜査を開始するのだった。
100年に1人生まれる「神の子」を養子として引き取ってしまった女性の冒険を描いた、フランス製のサスペンス風冒険映画。
そんな訳で、今週は個人的に『フランス冒険映画祭り』みたいな感じになってますが、フランス映画も昔に比べると随分と毛色が変わって普通の冒険映画も増えてきましたねぇ。
『養子として引き取った男の子が実は…』という、この手の映画の設定としては比較的ありがちな感じのお話ですが、本作はこの『子供が実は…』という設定に加えて、あとひと捻り…というかふた捻りぐらいされてるという凝ったストーリーテリングが、なかなかに面白い感じです。
ただ、この『凝ったストーリー』が同時に本作の仇になっているのも事実で、謎解きパートがやたらと長くて物語が進みだすまでが冗長。
また、登場人物の人間関係が妙に複雑になりすぎて、ちょっと話が分かり難くなってしまったかなぁ…という感はあります。
『罠に嵌められたと気付きながらも、愛する息子のために謎の集団と単身で闘う母親』という物語のテーマは良いのですが、そのテーマを描く為には、この設定は複雑すぎるんじゃないかなぁ…
オチとかに関しても『妙に中途半端な印象』を受けたので、全体的に『もうちょっと簡潔な設定』でも良かったかも?
あと、個人的な意見ですが…登場する男優の顔が妙に似たキャラが多くて、途中で訳が分からなくなりそうになったのは、私だけ?
総評としましては、全体的に悪くは無いんですが…コレという程の押しの強い部分がなくて『なんとなくパッとしない印象』の映画ですね。
冒険映画にしたかったのか、ストーリーを描き込みたかったのか…どっち付かずな印象になってしまっているので、その辺がもうちょっとハッキリとした内容になってれば良かったかも?
特にオススメという程では無いですが、この手の冒険ものが好きならば、『とりあえず観ても後悔はしない程度のお話』と言えるでしょう。