NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

「ガーゴイル」(55点:モンスター映画)

■■■「ガーゴイル」■■■
(55点:モンスター映画)

 CIAの捜査官であるグリフィンは、ルーマニアでのアメリカ人誘拐事件の捜査中に犯人グループの一人をビルの屋上まで追い詰めるが、犯人は何故か身代金と多量の血だまりのみを残して屋上から忽然と姿を消し、翌日に何十キロも離れた古城の尖塔の先に空中から落下したかのようにして突き刺さっているのが発見される。

 犯人の死を不審に感じた彼は、事件の捜査を進める内にその古城がかつて吸血鬼が棲んでいた場所だという伝説があることをつきとめ、しかも検死報告の結果、誘拐犯は内臓の一部を抜き取られており、体の内部からは謎の生物の爪のような物が発見される。

 彼は、事件の背後に吸血鬼を信仰する宗教集団の存在があるのではないか?と疑いを抱くが…


 直球勝負なタイトルそのものズバり、500年前に封印されたガーゴイルが復活して人間を襲いまくるというモンスターホラー映画。

 タイトルとかパケ写真を見て、「甦った悪魔」(もしくは「ショック! 生きていた怪獣ガーゴイルズ)(原題:「GARGOYLES」のリメイク作品か?
 …と思った人は、相当なホラーマニア。

 私も最初はそう思って借りてみたのですが、映画の内容を見るに、どうもリメイクと言う訳でも無さそうです。

 原題も「GARGOYLES' REVENGE」ですし、地下洞窟に卵がいっぱい並んでるシーンなんかも絵面的にソックリなので全く無関係とも思えないのですが…単に監督が「甦った悪魔」を観た事があってインスパイアされただけなのでしょうか?

 肝心のお話の方は、割とオーソドックスなモンスターホラー的なお話に、犯罪組織やら教会の確執やらを上手くストーリーに盛り込んでおり、最初から派手なカーチェイスを見せる等、見せ場もなかなか良く作られており、ごく普通に面白い映画になっています。

 ただ、ストーリー中盤の謎解きの部分では少々モンスターの出番が少なくて、ちょっとだけ中だるみする感があるのが残念なところ。
 ラストの警官隊が洞窟に突入するシーンなんかは、結構燃える展開で良い感じなんですが、中盤はカーチェイスや銃撃戦よりも、もうちょっと怪物の暴れっぷりを見てみたかったなぁ。

 怪物の造型に関しては、基本的に全部CGながらもガーゴイルの巨大感等が上手く表現されており、なかなか良く出来てはいます。
 でも、CGであるが故に直接的な人間との絡みのシーンが殆ど無いのは、ちょっと残念なところ、まあ予算の少ないCGモンスター映画にはありがちと言えばありがちな事なんですが…

 怪物に関してはデザインよりも何よりも、惜しむらくは怪物が弱点に対しては矢鱈と弱すぎるって事でしょうか?
 えっ、それで死んじゃうの?って感じで、ちょっと肩透かし…


 総評としましては、意外に良く出来たB級モンスターホラー映画です。
 ただし良くも悪くも、物凄くB級B級した内容ですので、最初から『まあ、B級だから…』と理解したうえで観る分には、結構楽しめる作品では無いかと思います。

 最初に書いた「甦った悪魔」が相当な駄作だったので、正直なところ全く期待していなかったんですが、ちょっとした掘り出し物で思いの外楽しめる映画でした。