■■■「トランスモーファー -人類最終戦争-」■■■
(45点/SFアクション)
2009年、2000万光年かなたの惑星に生命体が発見される。
人類は平和と友情のメッセージをこの惑星に向けて発信するが、それから5年後、人類に向けて送られた回答は異星人によって送り込まれた巨大ロボット軍団による地上への一斉攻撃というものだった。
この攻撃により、わずか数時間で人類の9割が死滅。
更に異星人は、地球の環境を永遠に晴れない暗雲に閉ざされた世界へと作り変えてしまう。
わずかに残った人類は地下へと潜伏し、異星人のテクノロジーを応用した兵器によって、なんとかロボット軍団への抵抗を続けていた…
宇宙から来た謎のロボット軍団によって崩壊した世界で、人類がレジスタンスとなって闘うというSFアクション映画。
なんか、機械によって支配され環境が改造されて暗雲に閉ざされた世界とか、まんま「マトリックス」とか「T2」っぽい設定ですが、美術デザインやらも思いっきりマネっ子な、みたままズバリのパクリ映画。
っていうか、タイトルからして「トランスモーファー」って、『酷いパクリな邦題もあったもんだ』と思いながら本編を観たら、原題もそのまま「トランスモーファー」でした。
しかもロゴデザインまで、まんま「トランスフォーマー」のパクリだよ…
まあ、ここまであからさまなパクりだと、呆れるのを通り越して逆に清々(すがすが)しいものを感じますな。
パクりのレベルは酷いですが、内容の方は割と普通な感じのB級映画です。
TV映画らしくセットやCGに低予算っぽさを感じますが、まあ辛うじて我慢は出来る程度のレベル。
敵のロボットや主人公達の操るメカのデザインが、なんとなく80年代アニメチックで、ストーリーも80年代に流行ったアクションSFといった雰囲気だし、セットやCGのチープさも相まって、なんとなく80年代のノリを彷彿とさせます。(でも、キチンと2007年作品です。)
コレが実際に80年代に作られてたら、そこそこのヒットしたかもね…
お話の方は割と話の流れのテンポも良く、お約束な感じのストーリーでツッコミどころ満載(2000万光年かなたの惑星をどうやって発見したんだ…とか、光速でメッセージを送っても5年後に返事は来ないだろう…とか)ながらも、まあ悪くは無い感じ…
そこそこに見せ場も準備されてて、主人公達の使うディスク型グレネード(ゲームの「ロストプラネット」みたいな奴)とか、無駄に変形する敵ロボットとかが、ちょっとカッコ良いです。
あと、ラスボス的に登場した『超巨大変形ロボット』は、ちょっと燃えました。(殆ど出番が無いんですが…)
ただこんな中身の薄い映画で、よせば良いのに『登場人物の派閥と派閥同士の確執』とかも描こうとしたもんだから、その辺の部分は案の定『説明不足でグテグテな感じ』になっちゃったのはマイナスポイントかな?
こんな映画に、誰もそんな『複雑な人間関係』とかの設定は望んでないので、もっと安直な話にして良かったと思います。
総評としましては、良くも悪くもごく普通の低予算のB級SF映画といった感じの作品です。
(いや、2007年に作られた事を考えるとD級ぐらいか?)
タイトルのインパクトにつられて観てみても『後悔はしないレベル』だとは思いますが、好きこのんで見る程の映画でも無いでしょう。
ただ、ネタ映画として観る分にはツッコミどころ満載で結構笑えますので、ソッチ方面の映画を求めている人なら観ておいても損は無いかもしれませんよ。