■■■「ディノクロコダイル」■■■
(30点/巨大生物パニック)
ロサンゼルスの北100kmにあるロスパドレス国有林で、海底地震の影響で出現した『巨大な生物』と思われる謎の物体が出現。
これを追跡するために軍隊が派遣されるが、巨大生物の攻撃によって軍のチームは壊滅。
やがて生物の正体は、全長20mを超える程の『巨大なワニ』である事が判明する。
軍は、なんとかして巨大ワニの都市部への進行を止める為に攻撃を敢行するが、ワニの強靭な皮膚の前に全く効果を上げる事が出来ない。
そんな中、軍の生物学者であるリア博士が巨大ワニの卵を持ち帰ったことから、巨大ワニは卵を追ってロスを目指して移動を開始するのだった…
恐竜時代に棲息していた巨大ワニが地震の影響で復活して人類を襲うという、巨大生物パニック映画。
パッケージを観ると、巨大生物というより『怪獣』にしか見えないような巨大なワニがヘリを襲おうとしている姿が描かれていますが…
アメリカ映画では、この手の『巨大生物パニックもの』と言うと、だいたい5~6mぐらいのサイズの事が多くて『本編を観てガッカリ』という事が多いのですが、本作の巨大ワニはホントにデカくて全長20mぐらいのサイズがあります。
しかもコイツが、銃弾はおろか対戦車ミサイルや爆撃でもビクともしないというタフっぷりで、『巨大生物』ものというよりはまるっきり『怪獣映画』というノリの映画です。
本作を製作しているのは「ASYLUM」というプロダクションなのですが、このプロダクションは以前にも同じように『怪獣映画』のようなノリの巨大生物ものを製作していたので、もしかしてそういうノリが好きなメーカーなのでしょうか?
本編はノリだけでなく内容の方もいかにも怪獣映画って感じで、いわゆる生物パニック映画のお約束である『閉鎖環境』とかが舞台ではなく、最初から『軍隊と怪物のガチンコ対決』となっている辺りや、何をやっても死なないという『巨大ワニの不死身っぷり』も、まさに『巨大怪獣』って感じ。
これで、口から火炎を吐いたり目から破壊光線を発射したりしたら、そのまま日本の怪獣映画にも出演できるでしょう。
ただ実際問題として、2mのコンクリートを撃ち抜ける『対戦車ミサイル』で撃たれて平気な生き物なんている訳無いので、ワニが20mになってウロコが丈夫になったところで人類には敵わない(ゴジラみたいに100mとかだったら別だろけど)訳ですが、まあ細かいツッコミをしだすとキリが無いので、その辺はスルーという事で…
本編の方は、全編に渡って軍隊と怪物との対決ムードの作品で、途中で退屈するようなシーンはあまり無いのですが、怪物との対決シーンに捻りが無くて『同じようなシーン』の展開が多く続く為に、どうにも冗長に感じてしまうのは辛い所。
また低予算ゆえの悲しさか、スペクタクルシーンがあまりにもショボくて、全体的にコレといった見所がありません。
パニックシーンでも逃げ惑うエキストラとかの人数が物凄く少なくて、なんとも盛り上がりませんし…やっぱ低予算でこの手の『怪獣映画』を撮らせたら、まだまだ『日本に一日の長があるなぁ…』ってのが正直な所ですね。
こんな不死身の怪物をどうやって倒すのかと思いきや、ラストの解決方法もあっけなさ過ぎて、あまりにショボすぎ…
(お腹側の皮膚が弱いからって、あんな程度の攻撃で倒せるなら『対戦車地雷』でも設置しておけば、一瞬で事件が解決したのでは?)
最後は『大爆破』のお約束は良いとしても、『もうちょっと捻る事は出来なかったのか?』と言うキモチでいっぱいです…
総評としましては、『スケールのデカさ』の割に内容がショボくて何とも肩透かし感の漂う映画です。
とりあえず、別にワニのサイズがデカくなったからといって『話が面白くなる』という訳では無いって事ですな。
まあ、ワクワク感は増しますが…
アイデアやノリは悪く無いので、もうちょっとシッカリ作って欲しかったなぁ…ってのが正直な感想となるような作品でした。