NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「妻の死の価値/ロブ・シュミット」<13 thirteen ~マスターズ・オブ・ホラー2~>(55点/心霊サスペンス)

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■■■「妻の死の価値/ロブ・シュミット」<13 thirteen ~マスターズ・オブ・ホラー2~>■■■
(55点/心霊サスペンス)

 クリフとアビーの夫婦は、ある日の深夜のドライブの最中に誤って倒木に衝突するという交通事故を起こしてしまう。

 事故での失見当から立ち直ったクリフは、妻のアビーが重度の全身火傷によって『ただちに皮膚移植を受ける』か『安楽死』かの2択を迫られる。

 最近、浮気をしていた事がバレて妻から責められていた彼は、その後ろめたさから妻の『安楽死』を選ぶが…


 世界的に有名なホラー監督が競演する「マスターズ・オブ・ホラー」の2期シリーズである「マスターズ・オブ・ホラー2」より、ロブ・シュミット監督による心霊ホラー風サスペンス映画です。

 ロブ・シュミット監督と言えば、「クライモリ」で割と有名になった新進気鋭のホラー監督という感じで、「クライモリ」は凡作ながらも、そのテンポの良さや『お約束』が盛り込まれた展開が評価された作品でしたが…

 本作は心霊ホラー風のサスペンスという事で、ちょっと変化球と言った感じの内容です。

 本作がどんな映画かと言いますと、一言で表現するならば『恐ろしいほど救いの無い話』って感じですね。

 もうとにかく、登場キャラクターが『全く救いの無い性格』のキャラばっかりで、浮気がバレて妻を死なせようとする主人公にはじまって、主人公の愛人も散々な腐れビッチですし、金の事しか考えないお抱え弁護士やら、あまりにムカツク連中ばかり…。

 『死にかかって亡霊になって出てくる奥さん』も、基本的にどうかと思うような性格ではありますが、それでも思わず奥さんを応援したくなってしまいます。

 登場人物の性格が余りに悪い為に『イラっとくるシーン』が多いですが、お話の方はなかなか捻った作りで、この短い尺の間に上手い具合に何度も波乱含みのシーンを入れて退屈しないような展開を作っているのは、なかなか良い感じかと…

 こう、改めて感想を書くと『もっと得点が高くても良い作品なんじゃない?』と思いたくなりますが、最初に書いたとおりにいかんせん登場人物が全員が恐ろしいほど性格が悪いので、ぶっちゃけ『誰がどうなっても良いや』って思ってしまうため、どうにも盛り上がらないんですよね。

 ストーリーは、そんな感じの設定から容易に想像がつくように、恐ろしい程に救いの無い展開で、『どう転んでもハッピーエンドに成り得ないようなノリ』なのが序盤から容易に想像できるのですが、それならそれで『もうちょっとカタルシスが欲しかった』というのが正直な所。

 ラストは、『いったい何だったんだ?』って言うような投げっぱなしな終わり方ですが、まあ本作の場合は明らかに『狙って投げっぱなしている』ので悪くは無い感じかなぁ?


 総評としましては、『全体的に悪くは無い』と思いますし嫌いなタイプでも無いのですが、上手く言えないものの『もう一歩』という感の漂う感じの作品ですね。

 もし『コレは!!』というような見せ場があれば、もっと化けたんじゃ無いかと思うので、少々惜しい印象を拭えない一本と言えるでしょう。

 「クライモリ」の時もそうでしたが、この監督は作品が型にハマり過ぎている感があるので、もうちょっと『自分なりの個性』を出せるようになったら伸びると思うんですけどねぇ…