■■■「スライド」■■■
(55点/サイコサスペンス)
カメラマンであり大学での講師も勤めるのソフィーは、ある日のデートの帰りにコンビニに寄った際に、行きずりのコンビに強盗に恋人のヒューを殺されてしまう。
それ依頼酷い頭痛に悩まされる彼女は、殺人事件のショックに原因があるのではないかと疑い精神科医に通って治療を続けていた。
しかし殺人事件の心の傷も塞がりかけた数ヵ月後、大学での講義中に生徒が取った写真の中から、偶然にも『事件の起こったコンビニのスライド写真』を発見した彼女は、その写真からコンビに強盗の犯人の手がかりが得られるのではないかと考え、その写真を現像した生徒が何者かを調べようとするが…
「スクリーム」シリーズやTVドラマ「フレンズ」等で人気の、コートニー・コックス主演のサイコサスペンス映画。
なんでも、ファンタスティック系の映画祭として有名な『サンダンス映画祭』で絶賛された作品らしい…と言えば、この手の映画が好きな人なら『大体どんな感じの系列の作品』か何となく想像が付くかな?
いわゆる、不条理系のテイストを持ったサイコサスペンス映画ですね。
本作に関して一言で言うならば、良くも悪くも非常に『サンダンス映画祭』的な映画といった印象でしょうか?
『謎が謎を呼ぶような手がかり』や『夢とも幻想とも付かない光景』やら『複雑に入り乱れた時系列』など、この手の映画ではお約束の要素が詰め込まれた作品です。
でも、色んな要素は詰め込まれているものの『詰め込めるだけ詰め込んだ』という雑多な印象ではなく、そういったフィーチャーがバランスよく消化されているのは非常に上手い所。
この手のB級サスペンスだと雑多に詰め込みすぎて消化不良になっている作品が多い中で、なかなか洗練された印象を受ける作品ではあります。
映像のセンスなんかも割と良くて、コートニー・コックスの個性派の演技も手伝って、非常に『お手本的な理不尽サスペンス映画』といった感じに仕上がっているのですが…
ただ難点を上げるなら、内容があまりにも『お手本的すぎる』という事。
この手の作品を見慣れている人が観ると、中盤辺りで概ねのオチが予想できてしまうんですよね…。
まあ、収拾が付かなくて投げっぱなしになってしまうよりかはよっぽど良いのですが、この映画ならではのアイデアがもう一捻り欲しかったかなぁ?
もう少し『コレだ!!』というようなインパクトでもあれば、非常に良い作品になったと思うので、そこが惜しい!!
総評としましては、『全体的にバランスの取れたサイコサスペンス映画の佳作』といった感じの内容の作品です。
穿った見方をすれば、とり立てて『悪い部分』が無いので『映画祭で賞を取れてしまった』のかな…とか思えてしまうのですが、流石にソレは私の考えすぎですか?
ただ驚きは少ないながらも、この手の作品が好きな人ならば安定して観れる作品なのは間違い無いので、同ジャンルが好きな人なら普通に観ておいて損は無い一本だと思いますよ。