■■■「アドレナリン」■■■
(60点/アクション)
マフィアに雇われたヒットマンのチェリオスは、ある日、何者かの襲撃を受けて気絶させられる。
目を覚ました際に残されていたメッセージから、対立する組織のヒットマンであるベローナにより『中国製の合成毒物』を注射され『余命1時間』である事を知らされた彼は、かかりつけの医師に相談したところ、『脳内からアドレナリンを出し続ける事が唯一の延命手段である』という事を知らされる。
彼は、何とかして犯人に一矢報いて解毒剤を手に入れるべく、『大興奮したまま』でベローナの追跡を開始するが…
TVで散々CMが流れていたので覚えている人も多いと思いますが、「トランスポーター」のジェイソン・ステイサム主演のアクション映画です。
本作を簡潔に一言で表現するならば、まさに『ジェイソン・ステイサム90分間ブチ切れショー』みたいな感じのお話。
主人公は対立する組織のヒットマンに『謎の毒物』を注射された為、『常に興奮していないと死ぬ』という状態に陥ってしまっている為に、とにかく常に全力投球!!
それでも人間は、どんな状況でもある程度続けていると『慣れてきて』しまい落ち着いてしまう為、興奮状態を保つ為に『レッドブル(栄養ドリンク)をガブ飲み』したり、『バイクに意味もなく曲乗り』してみたりと、命懸けで行う『バカバカしい行為』が非常に笑えます。
そんな設定であるが故に、作品そのもののテンポは非常に良くて単純に楽しいのですが、ストーリーは単純に終始『鬼ごっこ』をしているような感じで、まさに有って無いも同然。
『やり過ぎ』っぽい馬鹿シーンも多く、所々に散りばめられたユーモアやパロディも笑えるんですが、若干気になったのは主人公が常に走り回ってる割には『意外とスピード感や爽快感が無い事』かな?
この点に関しては、明らかに「トランスポーター」等の方が上な印象です。
確かにジェットコースタームービー的なノリではあるのですが、お話が『序盤から終盤まで殆ど同じようなペース』で進むため、途中でダレてきちゃうのが問題かと…
お陰で『クライマックスが一番ダルく感じてしまう』という本末転倒な状態に陥ってしまっていたため、もう少しクライマックスに向かって盛り上げていく仕掛けが欲しかったなぁ…
総評としましては、お馬鹿なノリのアクション映画としてはそこそこ面白いのですが、『バカ映画』としては弾けきれていないという印象が残る作品ですね。
全体的にアクションシーン等にもう少し『爽快感』なり何なりがあれば、かなり良い作品になったと思うのですが、観終わった後に何かちょっと物足りなさが残る作品でした。
まあB級アクション映画としては、十分に佳作に類する作品だと思うので、その手のノリが好きな人ならば観ておいて損は無いタイトルだと思います。