■■■「ゴーレム」■■■
(8点/モンスター)
女子大生のマーシーは友人たちとドライブに出た際に、道に迷って寂れた砂漠の中にあるゴーストタウンへと立ち寄る。
彼らはたまたま訪れたゴーストタウンを物見遊山的に見物してまわるが、マーシーはとある民家にあった魔術書のような本を惹かれるように手にしてしまう。
しかし仲間の一人が、そのゴーストタウンで一億円もの『大金が詰まったバッグ』を持った死体を発見。
欲に目が眩んだ彼らは、そのバッグをこっそりと持ち去ろうとするが、帰り道で迷って砂漠の真ん中で立ち往生する事となるのだった…。
砂漠の中にあるゴーストタウンで大金を発見した大学生たちが、正体不明の怪物に襲われるというモンスターパニック映画。
一応タイトルに「ゴーレム」と付いておりますが、別にユダヤの伝説の怪物が登場する古典ホラー「巨人ゴーレム」みたいな話ではなく、砂の塊みたいな姿の悪魔が登場して、若者たちの命を狙うっていうモンスター映画です。
まあ、見た目は確かにちょっとゴーレムっぽいかな?
映画の内容は、何というか非常に冗長でダルい映画です。
『主人公たちがゴーストタウンに立ち寄った事が元で、正体不明の怪物に追い掛け回される』みたいなお話なのですが…
何で、ごく普通のゴーストタウンにそんな怪物が居たのかは不明だし、怪物について書かれた魔道書が『普通の民家のマガジンラック』に『読みかけの雑誌』みたく置かれていたのかも不明で、しょっぱなから釈然としない内容。
(まあ、オチを観ればちょっとは納得しますが…)
しかも、メインの舞台はゴーストタウンではなく『主人公達が砂漠のど真ん中で遭難した後』なもんだから、舞台やシチュエーションも全く変化が無くて退屈ですし…
それよりも何がダルいって、本編にとにかくモンスターが全然登場しない事!!
90分の本編のうちモンスターがマトモに登場するのは、およそ10分ぐらい?
しかも襲撃シーンも何の芸も無いような襲撃方法だし、モンスターのデザインはダサいし、特撮やCGはショボいしで全く面白味がありません。
モンスターが登場しない間は、『宗教的に意味があるのか無いのか分からないような寸劇』が繰り広げられているだけで物語に何の深みも無いですし、緊張感も無く『恐ろしくツマんないストーリー』を延々と見せられるという殆ど拷問のような展開。
どうしても観なければならないとしても、ぶっちゃけ『最初の20分とラスト10分だけ観れば、間の話は全て飛ばしても全く問題ない』ような内容で、そのクライマックスのシーンさえも何が何やら意味不明の展開で、最早どこをどう楽しめば良いのかサッパリ分かりませんでした。
(っていうか、内容があまりにもダルくて、クライマックスのシーンの途中で2回も寝てしまったせいで、3回も見直したのは秘密。)
私は感想を書く際は、ツマんない映画でもどこか良い点を見つけて『なるべく誉めようと努力はしてみる』のですが、コレは流石に誉めるべきところを思いつきません…
総評としましては、久々に『コレは酷い』といった感じの、箸にも棒にもかからないようなホラー映画です。
よっぽど『人生の90分を無駄に消費したい』という強い願望でも無い限りは、存外に酷い出来なので普通にスルーしてしまう事をオススメします。
ツマんないならツマんないで、ネタとして楽しめれば救いがあるのですが、ホントにツマんないだけの作品でしたよ…