NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ゴースト・ハウス」(65点/オカルトホラー:結構オススメ)

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■■■「ゴースト・ハウス」■■■
(65点/オカルトホラー:結構オススメ)

 ノース・ダコタの片田舎にある広大な農場の一軒家に越してきたソロモン一家。

 彼らは、この静かな環境で家族生活をやり直そうとするが、幼い息子のベンが何も無い空間の『見えないはずの何か』に興味を示したり、カラスの群れの襲撃を受けたりといった奇妙な現象に見舞われる。

 やがて留守番中に、家族の問題児である娘のジェスが目に見えない『何者か』の襲撃を受け、怯えた彼女は早々にこの家から離れる事を提案する。

 しかし両親は彼女の言葉を信じようとせず、ジェスは仕方なく1人でこの家に潜む『何者か』の正体を探ろうと調査を開始するが…


 サム・ライミ製作による、いわゆる悪魔の棲む家」系の幽霊屋敷ものオカルトホラー映画。

 ストーリー的には悪魔の棲む家っぽいんだけど、ノリとか演出とかに呪怨っぽい部分やJホラーにインスパイアされている部分とかを感じられる作品ですね。

 『北米で完全オリジナル設定の「呪怨」を作るとこんな感じになるのかな?』って雰囲気ではありますが、実際にサム・ライミは北米版の「呪怨」の製作にも加わっている訳なので、ある意味で当然と言えば当然の帰結なのかも?

 お話の内容の方は、良くも悪くも非常に『正統派のオカルトホラー映画』といった感じの作品です。

 ストーリーを取っても演出を取っても『どこかでみたような話』ではあるのですが、じわじわと来る『怖がらせ演出』『幽霊の見せ方』が非常によく出来ており、総合的な演出の上手さが光ります。

 謎の提示の仕方や話のまとめ方も上手く、ホラーとしては割と冗長な話なのですが、途中でダレたり退屈したりせずに見れるのも良い点と言えるでしょう。

 なんと言うか非常に定番っぽい『幽霊屋敷もの』のお話なのですが、『ありがち』という言葉よりも『王道的作品』って言葉の方がしっくりくる感じかな?

 全体的に、どこを切っても『それなり以上の完成度』を維持しており、あまり文句を付ける部分が見当たりません。

 ただ、完成度に対する文句の付け所はあまり無いのですが…

 ホントに『普通に面白いホラー映画』という言葉が非常にシックリくる作品で、あまりにも『普通』な内容すぎて『この映画ならでは…』といった感じの個性に欠けるのが惜しい所ですね。

 見ている間は確かに面白いのですが、観終わった後にコレといった印象が残らなくて、なんとなくスグに忘れられてしまいそうな作品なんですよね。
 幽霊の演出では「呪怨」に及ばず、狂気に到る演出では「悪魔の棲む家」に及ばないという感じて…

 もうちょっと『本作ならでは』の個性があれば良かったと思うので、その辺はもっと冒険してみても良かったんじゃないかなぁ?


 総評としましては、全体的に高いレベルでまとまった『佳作レベルの王道的オカルトホラー映画』といった感じの作品ですね。

 話題性はあまり無いですが、埋もれさせてしまうには勿体無いレベルの作品だと思うので、いわゆる『幽霊屋敷もの』とかのジャンルが好きならば是非とも観ておく事をオススメしますよ。

 傑作とまでは言いませんが、ごく普通に観てごく普通に楽しむ分には十分に面白い一本だと思いますので…