■■■「サーベルタイガー・パーク 百万年ぶりの餌食」■■■
(35点/生物パニック)
遺伝子操作によって太古の時代より「サーベルタイガー」を現代へと蘇えらせる事に成功した実業家のナイルズは、南海の孤島に「ラローラ・プライマルパーク」という新型の自然公園と一体となったアミューズメントパークを設立。
世界中の投資家や親類の大学生を集めてプレミアオープンのイベントを開催し、投資家からの投資を募ろうとしていた。
しかしイベントの当日に、システムのトラブルからサーベルタイガーのゲートのロックが解除されてしまった事から、飼育エリアからサーベルタイガーが逃走。
太古の時代より蘇った血に飢えた怪物は、次々と来客達を餌食にしていくのだった…
遺伝子操作によって蘇った太古の猛獣・サーベルタイガーが人間を襲うという、生物パニックホラー映画。
何と言いますか設定もありがちですが、内容に関しても『タイトルそのまんま』な感じの内容のコテコテの生物パニック映画といった感じの作品です。
それにしても、「サーベルタイガー・パーク」とは何とも語呂の悪いタイトルですが、ネタ的に「ジュラシックパーク」とかを意識した設定なのに加えて、3年ぐらい前に作られた「サーベルタイガー」という、これまたそのものズバリのタイトルの生物パニック映画が割と良く出来ていた事から、その続編っぽいタイトルを拝借した物と思われるのですが、当然ながら本編の方は特に繋がりはありません。
内容の方はと言うと、先述の通り『ごくオーソドックスな生物パニック映画』と言った感じのお話。
ストーリーの構成やキャラの立て方なんかが、いかにも『低予算のB級映画』という雰囲気で、予算の事情があるのは分かるのですが、大パニックが発生しそうで発生しなかったり、物語がなかなか先に進まなかったり、全く魅力の無い主人公まわりのキャラ達にイライラさせられたりという、なんとも困った内容です。
全く意味の無い伏線やオチの付けかたを取っても、なんとも中途半端な感じでスッキリしませんし、どうにも微妙な作品ですね…
ただストーリーはダメダメですが、怪物の造型やCGは低予算映画としては割と良く出来ており、襲撃シーンではサーベルタイガーの巨大感や迫力なんかが良く出ていますし、CGの怪物と人間との絡みも比較的違和感が無い感じ。
人体の損壊表現なんかも割と気合が入って作られてたりするので、怪物の襲撃シーンに関してだけは、そこそこに観る価値があるかもしれません。
コレでストーリーがもうちょっとシッカリしてれば、それなりに楽しめたんでしょうが、なかなかコレが両立される作品が少ないのは困ったものですな。
総評としましては、なんというか『悪い意味』で『捻りの無いB級で生物パニック映画』といった感じの作品ですね。
映像の完成度はそこそこですが、ホントに『中身が無くて退屈な映画』ですのであまりオススメはしません。
正月早々、『サーベルタイガーがどうしても見たくてしょうがない!!』という人や、『家訓で、年の初めはサーベルタイガーの映画を観ることになっている』とかって言う何らかの止むを得ない理由でもなければ、スルーしてしまっても良い作品ではないかと思います。