NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ホーンテッド」(60点/オカルトスリラー)

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■■■「ホーンテッド」■■■
(60点/オカルトスリラー)

 1966年にロシアで生まれロスで育った孤児のマリーは、42歳の誕生日にロシアのカイダノフスキーという場所にある、亡き母の遺産である農場を相続する事となる。

 マリーはその場所で『自分の誕生直後に殺された』という母の死の謎と、自分の過去に関する秘密を見つける事が出来るのではないかと期待し母国・ロシアへと訪れるが、廃屋と化した農場に、同じ目的で訪れていた自分の『生き別れの双子の兄』であると名乗るニコライという男性と遭遇する…

 彼らは協力して自分たちの出生の秘密を探ろうと、屋敷の調査を開始するが…


 スペインの新進気鋭のホラー監督(らしい?)であるナチョ・セルダ監督による、幽霊屋敷もののサスペンスホラー映画。

 何かタイトルだけ見るとホーンティング」や「ホーンテッド・マンション」とかと妙にまぎらわしい感じですが、本編の方は割とオーソドックスで良く出来た感じのサスペンスホラー映画です。

 ネタ的には、幽霊屋敷にまつわる過去の秘密を探るサスペンス映画といった感じのテイストなので、確かにホーンティング」にちょっと近い感じはあるでしょうか?

 ただし「ホーンティング」がダークファンタジー的なノリだったのに対して、コチラはどちらかというとゴシックホラーテイストの溢れるノリで、幽霊屋敷の寂れた感じや、悪夢と現実が入り乱れたような幻想的な映像作りは、なかなか良いテイストを出しております。

 ただ『幽霊屋敷もの』という事で、当然ながらあまり過激な表現も多く無いですし、ストーリーの都合上で登場人物も矢鱈と少ないためホラーとしては少々冗長で怖さが少ないものの、『幽霊屋敷の秘密』や『母親の死の謎』に迫るサスペンス的な『謎解き』の要素がなかなか良く出来ており、『謎が謎を呼ぶ』みたいな展開であまり退屈はしません。

 やや力技ながらも、『序盤での複線が終盤に向かって一つに繋がっていく』という流れは、なかなか面白いです。

 しかしサスペンスとして良く出来ているといっても、まあそこは『やっぱりホラー映画』ですので、割と『理不尽系なノリ』もあるためリアルなサスペンス映画と比べると微妙に納得行かない部分もあったりします。(個人的に『双子の兄の分かれた恋人』の出てくる下りとかは、良く意味が分かりませんでした。)

 力技のネタのレベルとしては個人的には『まあ許容できる範囲かな?』とは思いましたが、『何事もキッチリ白黒つけないと嫌なのよッ!!』ってタイプの人には、ちょっと不満が残る作品かもしれませんが…

 まあ、配給会社が天下の「アルバトロス映画」ですので、『その辺は多目に見てやろう…』という感じですな。


 総評としましては、幽霊屋敷ものの映画としてはそこそこに良く出来た、『佳作のゴシックホラー映画』だと言えるでしょう。

 とりあえず、『ゴシックホラー&心霊サスペンス』といったテイストにピンと来る人にならば、割と普通にオススメ出来るタイトルだと思いますので、そういったノリの作品が好きな人ならば観ておいて損は無い一本だと思いますよ。

 大きな驚きは無いですが、個人的には結構『堅調に楽しめた作品』でした。