NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「BOA ボア」(20点/生物パニック)

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■■■「BOA ボア」■■■
(20点/生物パニック)

 パンナという大学生がジャングルに撮影旅行に出かけたまま戻らなくなる。

 行方不明となった彼の無事を信じる彼の友人達は、独自に『捜索チーム』を結成し上空から気球での捜索を試みるが、やおらの悪天候により気球がジャングルの奥地へと墜落してしまい、二重遭難する事となってしまう。

 彼らはパンナの手がかりを追いつつジャングルからの脱出手段を模索しはじめるが、偶然に発見した古代遺跡にて彼らの前に立ちはだかったのは、全長20mはあるような恐ろしく巨大な大蛇だった…


 ジャングルに訪れた若者たちを大蛇が襲うという、いわゆる巨大ヘビものの生物パニック映画。

 いわゆる『イロモノのホラー』が多いタイ製の生物パニック映画の新作なのですが、タイで巨大ヘビものというと、以前に発売された「ZODA(ゾーン・オブ・アナコンダ)」は、まさにイロモノの極みといった感じの快作(怪作)だったのですが、本作はむしろ『生物パニック映画』というよりも『怪獣映画』というノリの作品です。

 まあ、タイは日本以外では数少ない『オリジナルの怪獣映画』を作ってしまったり、ウルトラ兄弟の映画を作ってしまうぐらいの『怪獣好き』のお国柄ですからね…

 本作に登場する巨大ヘビにしても『遺跡の守り神』みたいな感じの扱いですし、『遺伝子操作された軍用兵器』とか何かの理屈がある訳でも無いのに、常識では考えられない程に無茶苦茶デカい上に無茶苦茶にパワフルです。

 ありえないような敏捷さと強靭さで、人間を『千切っては投げて千切っては投げ…』みたいなイキオイで襲いまくるのは、なかなか痛快で楽しいのですが…
 でも、ぶっちゃけて言うと本作は『ホントにソレだけの映画』なんですよね。

 ストーリーとか、殆ど『有って無いも同然』みたいな感じで、本作のプロットを一言で説明すると『ジャングルに来た人たちが、勝手に遭難して勝手に巨大ヘビに襲われる』という、ただただソレだけの映画。

 大蛇もあまりにも『怪獣』然としており、人間を襲っても別に食べる訳じゃなく、行動に『生物らしさ』が無いので、いくら強靭で素早くても怖いという印象は全くなし。

 主人公もサブキャラもキャラクターに魅力が無いし、途中で出てきた『謎解きプロット』みたいなのは、実際には本編のストーリーには全く関係なし。

 そんな感じで『本編には殆ど関係の無い無駄な設定』が多くて、それに意味も無く時間が多く裂かれているために、どうにも話の展開が冗長で退屈してしまいます。

 カッコつけて登場した『軍の指揮官』みたいなお姉ちゃんは全く見せ場が無いですし、そもそも私は、本作の主人公が誰なのかお話の中盤まで真剣に分からなかったですよ…

 ラストの展開はちょっと燃えるものがありましたが、ヘビの暴れっぷりを見るためだけに観るには少々辛い映画かなぁ?

 最初に行方不明になってた大学生の扱いのぞんざいさが、逆にちょっとウケたかも?


 総評としましては、何といいますか…非常に中身の無い『適当なストーリーの怪獣映画』とでも言うような作品といった感じでしょうか?

 大蛇の暴れるシーンは結構多めなので、ただただ『大蛇の暴れっぷりだけを観たい』というのなら、まあ観るのを止める事もありませんが、本編の中身が中身なだけに『ちょっと微妙な印象』ですね…

 タイ製の怪獣映画風のノリの生物パニック映画が好きならば、『とりあえず、どうでしょう?』って感じの一本でした。