■■■「ウィッカーマン」■■■
(55点/オカルト)
警察官であるエドワード・メイラスは、ある日、数年前に失踪した婚約者ウィローから行方不明になった娘を探して欲しいという手紙を受け取る。
ウィローが暮らすサマーズアイル島を訪れた彼だったが、その島は電話も通じないという文明から隔絶された人々が中世のような生活を続けるという、なんとも奇妙な島だった。
彼はその島で娘の行方を捜して聞き込み調査を開始し娘が暮らしていた痕跡を発見するが、島民たちは一様にその存在を否定し真実を語ろうとしない。
捜査が難航するうちに、やがて島では年に一度の『豊穣祭』の準備がはじまり…
ニコラス・ケイジ主演による、隠れた傑作と言われる同名タイトルのカルトホラー映画のリメイク化作品。
オリジナル版である「ウィッカーマン」は70年代だかにイギリスで製作されたカルトホラー映画で『知る人ぞ知る傑作ホラー』と言われてた作品で、後の1997年に日本でも公開されては居るのですが…
私もオリジナル版は相当に好きな作品なのですがで、流石にリメイクといっても、この作品のオリジナル版を知ってる人は少ないと思いますので、ネタバレ方面には気を付けて感想を書きたいと思います。
(それにしても、こんなマイナーな映画までリメイク(しかもニコラス・ケイジ主演)されるとは…良い時代になったのか、ハリウッドがよっぽどネタ切れで困っているのか?)
オカルト方面に明るい人なら「ウィッカーマン」というタイトルだけで、元ネタがピンと来る人も居るかもしれませんが、内容的には『原始宗教(ドルイド教)』を題材としたカルトホラー映画ですね。
『とある中年警官が行方不明の娘を追って僻地にある孤島に訪れた所、そこでは文明から隔絶された奇妙な生活を送る人々が…』といった感じのプロットのお話で、リメイク版に置いてもストーリーに関しては特に改変される事もなく、お話の内容は『ほぼオリジナルの通り』という感じ。
舞台がイギリスから米国に移った事に若干の違和感(ドルイド教って欧州の宗教だし)を感じるものの、本作はストーリーが最大の肝とも言える作品なので変にオチとかをいじくり廻されなかったのは、まあ一安心。
ただオリジナル版では、主人公の捜査そっちのけで島民が祭りを楽しみ、妙に牧歌的でのほほんとした雰囲気の展開だったのが『ラストで急転直下のホラーになる』という点が非常に怖かったのですが…
リメイク版の本作では、どちらかというとミステリー色の強い内容になっており、最初からホラーを意識させてしまっているのは、ちょっとイメージが変わっちゃったかも?
オリジナル版が『油断させておいて突然、崖から突き落とされるようなインパクトを受ける映画』なのい対して、リメイク版は『じわじわと不吉な予感が高まっていく正調派サスペンスホラー』って感じ?
でもミステリー的な展開にしたのも良かれ悪しかれといった感じで、オリジナル版にあった『中盤の冗長さ』が改善されたとも言える訳で、この辺は人によって好みの分かれる所かなぁ?
しかし、まあリメイク版でもオチのインパクトは絶大で、やっぱあのオチは怖いですよ。
私の場合はオリジナルでストーリーを先に知ってしまって居たので、インパクトが弱くなってしまった感じですが、知らない人なら結構楽しめるんじゃ無いでしょうか?
総評としましては、オリジナルほどのインパクトは無くなってしまったものの、ソレを差し引いてもコンパクトにまとまった『割と良く出来たカルトホラー映画』では無いかと思います。
宗教ものとかのジャンルが好きな人や、タイトルだけは知ってるけどオリジナル版を既に観る手段も無いよ…って人ならば、とりあえず観ておいて損は無いタイトルだと言えるでしょう。
まあでも、もしオリジナル版を観る手段があるようでしたら、先にオリジナル版を観ておく事をオススメしますね。
出来れば皆様にも一度、『なんじゃ、この映画は!?』という衝撃を味わって貰いたいので…