■■■「臨死」■■■
(35点/心霊サスペンス)
ハイスクールの優等生で人気者でもあるニックは、ささいな誤解から同級生で不良のアニーという少女と不良グループのリンチを受ける。
意識不明の重体となった彼を、死んだと勘違いした不良グループは彼を下水道の中に放置して逃げ去すが、翌朝に森の中で目を覚ました彼は、何故か自分の姿が『他の誰からも見えていない』という奇妙な状況に陥っている事に気付く。
混乱して自宅へと帰った彼は、自分が昨晩から行方不明となって捜索願いが出されている事を知り、果たして自分が臨死状態にあり『幽霊のような存在』になっているのだと気付くのだった…
臨死状態に陥った主人公が命を取り留ようとして悪戦苦闘するという、心霊映画風味のサスペンス映画。
うーん…なんと言いますか、一言で言うと『だから何なんだ?』って言うような内容の映画ですな。
いや、別に映画そのものがまるっきりツマんないという訳でも無いですし、お話のテンポとかは割と良くてそこそこ観れるレベルの作品なのですが、メインのストーリーが余りにも理不尽過ぎなんですよ…
とにもかくにも主人公が不運過ぎて…別段何も悪い事をしてないのに、不良グループに半殺しにされるわ、親友には裏切られるわという、全く良い事なしの不幸のズンドコっぷりが可哀想で、観ててどうにもストレスが溜まりまくる内容です。
微妙に『ちょっと良い話』風にまとめようとしているものの、どう考えても主人公は『理不尽な暴力に巻き込まれた被害者』でしかなくて、ヒロインやら友人やらの連中は明らかに自業自得な訳で、あんなオチの落とし方をされても『そりゃないでしょ?』って感じ…
確かにハラハラドキドキする内容ではあるのですが、結局『人間性の大切さ』とかを問うような内容でも無ければ、別に『立場の異なる主人公とヒロインが理解しあうラブロマンス』になっている訳でもないですし、本作が何を描きたかったのかサッパリ分からなかったのは私の理解力不足なんでしょうかね?
いや、やっぱラブロマンスっぽいのを描きたかったのかなぁ?
とりあえず、主人公が『やたらと良い奴』だというのは分かったけど、『あの展開でラブロマンスとか言われてもどうよ?』って感じなんですけど…俺が主人公ならロマンスどころか、最後まで怒りが収まりませんよ…
(っていうか個人的に、ラストで何故に『ヒロインが主人公の元に来なくてはならない』という必然性があったのか、サッパリ分からなかったのは私だけ?)
総評としましては、何と言うか『歯切れの悪い感想』を読めば大体見当が付くと思いますが、なんとも微妙な感じの作品です。
凄くツマんないって訳でも無いのですが、見終わっても何の得るものも無いですし、何かオススメ出来るようなポイントに欠ける内容であるとは言えるでしょう…
観終わった後に『だから、どないやねん!?』という、微妙に悶々とした気分になりたいという人が居れば、とりあえずどうぞ…って感じの一本かなぁ?