（４０点／生物パニック）
アイダホ州のプレーリーの片田舎の農場で、昆虫学者のコルトは知人が何者かの生物に食い殺されているのを発見する。
直ぐに農務省に事件を報告した彼は、大量の家畜が何かに襲われて死亡するという事件が同州内で多発している事を知る。
事件の現場の側で巨大なイナゴの死体を発見した彼は、以前に勤務していたサイロジェン社が、害虫駆除のために遺伝子操作により『他の害虫を食べる肉食のイナゴ』を研究していた事から、事件の原因はサイジェロン社にあると推測。
コルトは農務省に勤める恋人と共に、州兵に協力を依頼して『人食いイナゴ』を駆除する為の対策チームを結成するが…
遺伝子操作で作り出された巨大な人食いイナゴの群れが人間を襲うという、いわゆる生物パニックもののホラー映画
パッケージだけ見ると、まるで『ディザスター（災害）パニック映画』みたいに見えますが、内容の方は別に『虫が竜巻を起こす』とかって話ではなくて、ごくオーソドックスな感じの生物パニックものです。
まあ、イナゴを肉食化させて害虫を駆除しようというアイデアは分からなくも無いですが、何故に人間を襲う程のバカデカい固体を使うのかとかお約束のツッコミはさておき…
この手の『昆虫の大群』ものの映画を観る度に『イナゴに噛まれたぐらいで、人間がそうそう死ぬものなのか？』とか思うのですが、本作のイナゴは『超高速で人間めがけて飛来して、弾丸のように人間の身体を食い破っていく』というトンでも無い技を持ってるので、そりゃ怖いわ…って感じです。
本作はＢ級映画にしては結構お金がかかっているようで、特撮や演出は割と良く出来ており、ＣＧで描かれたイナゴなんかも割とキチンと作られてて良い感じなのですが…それに反比例するかのようにシナリオが微妙なのは困り者。
展開を早くしたいせいか、やたらと説明的なセリフが多い上に、登場人物がやたらと理解が早くて展開が妙にご都合主義的。
中二病って訳じゃないですが、何か『子供向けの特撮番組や、素人が書いたRPGのシナリオ』みたいな感じで、捻りとか奥の深い設定とか科学考証とか、何もあったもんじゃありません。
カッコよきゃそれで良いって事なのかもしれませんが、主人公がイナゴを退治する為に軍隊を指揮するシーンで、民間人の昆虫学者の筈の主人公がM16（自動小銃）を持って部隊を指揮してるのは、いくらアメリカが銃社会でも不自然で無理がありすぎです…
ストーリーの方は『お約束』的な脚本と言えばそうなのですが、それにしてもここまで展開がやっつけ見え見えで、先が読めすぎなのは流石にいかがなものかと…
まあ、お約束でも面白ければ良いんですが、全体的にいま一つ盛り上がりに欠けるのが『困ったもだなぁ…』って感じ。
総評としましては、映画全体を総合的に観ると別にそこまで酷い訳でも無いのですが、なんかやっつけムードの漂う微妙な出来といった感じの作品です。
ツマんない訳では無いですが、コレと言ってオススメする程の部分も無いので、あまり強く推せる程の作品では無いかなぁ…
三度のメシより生物パニックものが好きならば、まあ観てみても後悔はしないとは思いますが、あまりオススメはしません…って感じかなぁ？
