■■■「フロストバイト」■■■
(55点/モンスター:結構オススメ)
医師のアニカは、太陽の沈んだままの夜が明けない『極夜』の続くスウェーデンの小さな町へと、高名な遺伝子研究者であるベッカート博士の元で遺伝子研究を行う為に娘のサガと共に引っ越してくる。
しかし、アニカは診療中に博士の担当の患者に『腕を噛まれた』事から、博士の恐るべき研究の実態を知る事となり、時を同じくして、とある医学研修生が教授の部屋から『実験中の薬』を持ち出した事から、街では恐るべき事件が発生しつつあったのだった…
極夜の続くスウェーデンの街に吸血鬼が出没するという設定の、モンスターホラー映画。
スウェーデン製の吸血鬼映画って『あんまり聞いた事が無いけど、どうなの?』って感じで借りてみたのですが、前情報が無かった割にはなかなかどうして結構良く出来た作品でした。
『夜の明けない「極夜」の街に吸血鬼が出没する』という設定を聞くと、今度日本でも公開されるサム・ライミ製作の「30 Days of Night」を連想しますが、『何か設定的に繋がりでもあるのかな?』と思いきや、別にそういう訳でも無いようです。
お話の方も定番のB級ホラーというよりも、どちらかというとアメコミチックな内容で、非常に凝った伏線や設定が練りこまれており、物語のテンポも良く『先の全く読めないストーリー展開』は観ていて普通に面白いです。
内容的にもいかにも続きがありそうな終わり方だったので、もしかしたら原作のコミックとかが存在するのかも?
ただ、ストーリーや特撮に関しては及第点なのですが、アクションシーンとかに関しては若干パワー不足の感も受け、全体的な完成度が高いだけに少々アンバランスな印象を受けてしまうのは勿体無いところかな?
また、惜しむらくは「極夜」の続く街という設定がありながら、本編のストーリー内でその設定が全く活かされていないという点は、ちょっと勿体無い感じかな?
雰囲気として良い味を出すのに一役買っては居るのですが、この辺はもうちょっとネタとして活かして欲しかったなぁ…
オチに関しても、かなり唐突で投げっぱなしな終わり方なので、人によっては『納得行かない』って感じる人も居るかも?
個人的には、『まあこのラストもアリかな?』とは思いましたが…
総評としましては、ややマンガ的なノリながらも『軽快なノリのモンスター映画』とかが好きな人ならば普通に楽しめる作品だと思います。
逆に言うと『正統派モンスターホラー』的なノリを期待すると肩透かしを食らうと思いますが、ホラーコミックとかが好きな人ならばオススメ出来る一本だと言えるでしょう。
若干のパワー不足は感じますが、雰囲気やセンス共に非常に良く出来た作品なので、気になる人は是非って感じかな?