■■■「デス・マスク」■■■
(30点/スラッシャーホラー)
ポルノ映画監督であるアルフォンス達は映画を撮影する為にメキシコのビーチを目指すが、途中で道に迷った彼らは「サングレ・デ・ディオス」と言うゴーストタウンに辿り着く。
その場所は、40年前に狂気に囚われて大量殺人を犯した「エル・マスカラード」という最強の覆面レスラーが幽閉されたという、メキシコのプロレスファンに伝わるの都市伝説のある場所だった。
彼らは『ポルノ映画の良いロケ地になりそうだ』という事で、そのゴーストタウンで映画の撮影を開始するが、やがて仲間の一人が『顔の皮を剥ぎ取られる』という無残な死体となって発見されるのだった…
実際のメキシコのルチャドールであるレイ・ミステリオ主演による、殺人レスラーが大暴れするスラッシャーホラー映画。
『人体改造によって作り出された最強の覆面レスラーが人間を殺しまくって、マスクの代わりに顔の生皮を剥ぎ取る』という設定だけ聞くと結構お馬鹿で面白そうな作品なのですが…
企画倒れというか何と言うか、中身の方は『ごく普通の地味~なB級ホラー映画』ですな。
本作で何が不満って、とりあえず殺人レスラーの登場までが矢鱈と引っ張りすぎ。
たいして登場人物も居ないのに、序盤の殺人シーンでは『音だけ』とか『腕だけ』とか『足だけ』しか登場せずに、見せ場の筈が『かえってストレスが溜まるようなシーン』が多くてどうにもダレます。
この覆面レスラーの役の人はメキシコでは有名な花形レスラーらしいので、やっぱ出演費が高くてあまり多くのシーンを撮れなかったんでしょうか…
マトモに登場してからも、プロレス技はちょこっとしか出してくれずに、あんまりコレといったインパクトは無し。
どうせなら『48の殺人技を駆使して人間を殺しまくる』とかってぐらいのサービス精神が欲しかったです。
映画の構成そのものも余り誉められたものでもなく、説明的なシーンが妙に多い割にソレが本編に伏線として活かされている訳でもありませんし、なんというか全体的に微妙な出来ですなぁ。
殺人レスラーの登場する前のシーンの緊張感の持たせ方とかは割と上手いと思うのですが、肝心の殺人シーンがショボショボで事後に盛り下がってしまうのは『何だかなぁ』って感じでした。
総評としましては、設定のインパクトだけはあるものの蓋を開けてみれば『特にコレといって特徴の無い地味なスラッシャーホラー』といった感じの映画でした。
もっと、作り方しだいでは幾らでも面白く出来たと思うので、何とも勿体無さの漂う作品ですね。
存外に酷い訳でもないですが特にオススメする程の作品でもありませんし、設定のインパクトの大きさに期待すると肩透かしを食らうので要注意ですよ。