■■■「カニング・キラー 殺戮の沼」■■■
(60点/生物パニック:結構オススメ)
内戦の続くアフリカの小国であるブルンジ共和国のキビラ湿地帯で、村人や調査員が次々と巨大ワニに殺されるという事件が発生する
巨大ワニは地元民から「グスタヴ」と名付けられ、遂にはアメリカから派遣された調査員までもが殺されるという事態に発展。
ニューヨークのNNCのニュースキャスターであるティムは、この巨大ワニの捕獲のドキュメンタリーを製作するためにスタッフらと共に湿地帯へと向かうが、その場所は巨大ワニのほかに民兵と政府軍とか抗争を繰り広げる紛争地域でもあった。
アフリカの紛争地域で実際に起こった巨大ワニの襲撃事件をベースとして作られたという、生物パニックホラー映画。
いわゆる普通の生物パニック映画なのかと思いきや、巨大ワニの襲撃以外に民兵との抗争やらもあったりして、盛り沢山な内容でなかなか退屈させない作りになっています。
ただ実際に本編の内容も、純粋な生物パニック映画の部分よりも民兵との紛争等の部分に多くが割かれており、この映画を観ていると『本当に怖いのは怪物よりも人間の方なんじゃ…』とか思えてしまうような内容です。
本編の最大の見所である全長9mの巨大ワニ「グスタフ」は、CGベースだと思うのですがなかなか良く出来ており、合成も自然で襲撃シーンはかなり迫力があります。
飛んだり跳ねたり走り回ったりとワニとは思えない俊敏さを発揮して人間を襲いまくるシーンはなかなかの見ものなので、出来れば劇場の巨大なスクリーンで観てみたかった所。
ただ、先述のとおり物語の方は民兵との紛争とか政治的な内容がメインとして描かれているため、どうにも巨大ワニの影が薄いんですよね。
実際に襲撃シーンはかなり良く出来ては居るのですが、そのためにややボリューム不足な印象を受けてしまいます。
物語そのものはなかなか面白かったと思うので、襲撃シーンがこの2倍ぐらいのボリュームがあれば申し分なかったのですが、純粋に生物パニック映画として観た場合には『ちょっと食い足りなさを感じてしまう』のは、良く出来てるだけに惜しい所ですねぇ。
総評としましては、話題作ではないものの『なかなか良く出来た佳作レベルの生物パニック映画』
だと思います。
普通に面白い内容ですので、その手のジャンルが好きな人ならばとりあえず観ておいて損は無い作品だと言えるでしょう。
とまれ、『巨大ワニもの』に飢えている人や『隠れた良作的な生物パニック映画』を求めている人なら是非…って感じの一本でした。