■■■「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」■■■
(30点/和製ウエスタン)
源氏と平家の決戦、壇ノ浦の戦いから数百年後、山間にある根畑という寒村に一人のガンマンが流れ着く。
しかし、その村では古くから言い伝えられる『お宝』を捜し求める、「義経」の率いる源氏軍と「清盛」の率いる平家軍が激しく対立し抗争を繰り広げていた。
ガンマンはどちらの用心棒になるかを双方から迫られるなか、村に住むバーの女主人から源氏と平家がこの村を訪れた経緯を聞かされる事となるが…
色んな意味でクセのある映画を撮る事で有名な三池崇史監督による、和製ウエスタンムービー。
クエンティン・タランティーノが出演してたり、源氏と平家がウエスタンの舞台で戦うという無茶苦茶な設定だったりと、何かとネタっぽさを感じさせる作品なので期待してたのですが…
うーん、何か予想してるのと違ったなぁ…ってのが正直な所。
劇場で予告を観た際に、もっと馬鹿っぽい痛快ウエスタンなのかと思ってたら、なんとも地味で暗~いお話です。
イタリア製の西部劇がマカロニウェスタンに対して、和製ウェスタンだから『スキヤキウェスタン』って事なのかな?
和製ウエスタンは分かったけど、何で源氏と平家の対立という摩訶不思議な設定を作ったのか…どうにも、いま一つ狙ってる方向性が良く分かりません…うーん、何か元ネタになる物があるのかな?
まあこの監督の映画では、センスが突き抜けすぎていて『何を考えてるのか理解できない』事は良くあるのですが、少なくとも今回はそれが良い方向に働いているようには見えないのは辛いところですね…
特に内容はともかくとして、話のテンポが遅すぎてストーリーがなかなか前に進まないのは難点でしょう。
1時間ぐらいかけて、延々とお話の背景説明とかされても流石にダレてきます。
タランティーノが出演している事もあってか、どことなく『タランティーノ節』を意識しているような風はあるのですが、あそこまでシュールでも緊迫感がある訳でも無いので、どこか退屈さばかりが目に付いてしまうのは困りものです。
終盤はそこそこ盛り上がるのですが盛り上がるシーンに辿り着くまでが長すぎで、余りのダルさに途中から早送りしてしまいましたよ…
せめて、もうちょっと簡潔に80分ぐらいの尺に納まってればそこそこ観れたと思うんだけど、このお話のテンポで120分は流石に長すぎです。
とりあえず、桃井かおりの存在感とカッコ良さが本作の最大の見所かな?
総評としましては、作品によって浮き沈みの激しい三池監督の作品の中でも、コレはちょっと微妙な類に当たるかなぁ…ってのが正直な所ですね。
どうにも冗長でダルいシーンが多すぎて、描きたい方向性が良く分からなかったのが問題では無いかと…
部分的には面白いシーンもあるのですが、そのシーンの為だけに観るのはちょっと辛いかなぁ?
少なくとも予告を観て、予告のような軽快なノリに期待してると肩透かしを食らうので要注意です。