NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「呪怨 パンデミック」(45点/オカルトホラー)

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■■■「呪怨 パンデミック」■■■
(45点/オカルトホラー)

 前作のラストで何とか伽椰子の魔手を逃れ、幽霊屋敷での惨劇から生き延びたカレンだったが、彼女は恋人を殺害した容疑と放火の容疑で病院の一室に拘留されてしまう。

 やがて彼女の看病を為に妹のオーブリーが東京へと訪れるが、カレンは妹の病院到着の直後に病院の屋上から転落するという謎の死を遂げる。

 『廃屋で恋人を殺した上に放火する』という姉の奇妙な行動に疑問を抱いたオーブリーは、火災の現場から姉を救出したというルポライターのイーソンと共に真実を究明する為に事件のあった廃屋へと赴くが…


 サム・ライミ製作&清水崇監督というコンビの製作で話題を呼んだ、ハリウッドホラー「THE 呪怨」の続編に当たるオカルトホラー映画。

 ストーリー的には「THE 呪怨」の後日譚に当たるお話なのですが、「THE 呪怨」が「呪怨 劇場版」「呪怨2 劇場版」のオイシイところ取りのハリウッドリメイクだったので、『「呪怨 パンデミック」は「呪怨2 劇場版」のリメイクって訳にもイカンだろうし、どうするんだろう?』と思っていたのですが…

 本作は、位置付け的には呪怨2 ビデオ版」をモチーフにした新作といった感じになったようです。

 ただ呪怨2 ビデオ版」、『大風呂敷広げすぎの設定』や『意味不明の演出』などファンの間でもあまり評判が宜しくない作品なのですが、流石に清水監督自身が監督としての腕がこなれてきた事もあってか、本作はそこまで訳の分からない事にはならずキチンと映画として完成されているのでご安心を。

 1作目の「THE 呪怨」は割と鳴り物入りで話題になったのですが、本作は劇場公開された際もあまり話題にもならずに(まあJホラー自体が下火だってのもあるのですが…)、ひっそりと公開されてた感があったので、『どうなんだろう?』と不安に思いながら観てみたのですが…
 まあ、1作目の完成度には程遠いものの、とりあえず普通に観れるレベルの作品には仕上がっていました。

 ただ、『まあまあかな』と思う一方で『このパターンも飽きたかな』と思うのも事実で、変な隙間から伽椰子が登場して『ガバッ』ってのも、ここまで続くと流石にマンネリズムを感じてしまい、あんまり話題にならなかったのも納得かな…って感じです。(どんだけ隙間好きなんだよ、隙間妖怪か?)

 それでも、ところどころで目を見張る程のインパクトのある演出があるのは流石ですが…

 一応、本作では『伽椰子誕生の秘密』とかも語られるのですが、なんとなく『いかにも後付け設定』って感じで、いま一つインパクトは無いですねぇ。

 『誕生の秘密』が明かされた事でますます伽椰子の『貞子化』が進んだ感じですが、そもそも伽椰子は貞子みたいに『誕生の秘密』が分かったところで『対処法』に繋がる訳じゃないので、このネタをやる意味はあんまり無かったかも?

 あとストーリー上の都合とはいえ、恐山のイタコが流暢に英語を話すのは、シリアスなシーンなのにちょっと笑いました。

 余談ながら個人的に一番残念に感じたのは、伽椰子役の女優さんが流石にスクリーン慣れしてきたせいもあってか、以前より美人になってしまって逆にインパクトが薄くなってしまった事かなぁ…
 あの、野暮ったい感じのキャラが豹変するのが良かったのに…って、勝手な事言うなって?


 総評としましては、Jホラーとしては及第点の完成度だけど、シリーズものとしてはインパクトが弱くて、ややグレードが落ちるかなぁ…って感じの作品でした。

 やはり「THE 呪怨」が良く出来てただけに、ちょっと肩透かしな印象は拭えないので、続編として期待してみると少々微妙に感じるかも?

 もはや目新しさとかインパクトは無いので、シリーズ通して見てる人ならば『まあお好みで』って所でしょう。

 清水監督も流石に「呪怨」シリーズは打ち止めかな…って感じなので、そろそろ新作を撮って欲しいですね。
 「輪廻」も悪くは無かったですし、次回作に期待かな?