NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

「戦場のヴァルキュリア」:クリア後レビュー

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■■■「戦場のヴァルキュリア」:(戦術級SLG/70点)■■■


 先日からプレイしておりました、PS3の戦術級SLGである戦場のヴァルキュリアをとりあえずクリアしましたので、感想と簡単なレビューなんかを書いてみようと思います。

 若干のネタバレありですので、ネタバレが絶対に嫌だという方は読まない方が良いかも?

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 まずゲームの内容はというと、いわゆるターン性&コマンド指示方式の戦術級SLGって感じですね。

 戦闘パートで『アクションゲーム的な操作(照準で敵を狙う等)』が要求されますが、自分がいくら正確に相手を狙ってもユニットのレベルが低いと勝手に外す(相手が回避する事もあり)ので、あまりプレイヤーのアクションゲーム的な能力は必要ではありません。

 ゲームの特徴としては、自分の軍を動かす為に使用するコスト(CP)が、各ターン毎に割り振られていて、このCPを消費する事でユニットを行動させて敵を撃破していくという形を取っている事。

 CPさえ消費すれば同じユニットを何度も動かせる(ただし、同じユニットを連続して動かすと、ユニットの行動力が下がっていく)為、戦術を幅広く取ることが出来るのは面白い試みだと思いました。
 (でも、お陰で『使いやすいユニット』は連続して指示を出しまくりなのに、『使い難いユニット』は完全放置とかって展開も…)

 ちなみに部隊は最大9人のユニットで編成できる訳ですが、ユニットの中に『CPの上限を底上げ出来る部隊長のユニット』が居るため、ゲームを有利に進める為には使いたくなくても『部隊長のユニット』を部隊に入れなければならないのはちょっと不満点ですね。

 (具体的に言うと、イーディーを使いたくても部隊長であるロージーとの相性が悪いので泣く泣くメンバーから外したり、序盤ステージでは殆ど出番の無い「対戦車兵」のラルゴを常に前線に投入しなければならなかったり…)

 あと、2台目の「歩兵戦車」が特定のステージ以外で、単なる『置き物』と化していたのは私だけ?

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 ただ、ゲームのシステムに関してはそこそこ良く考えられてると思うのですが、ゲームバランスに関しては少々練りこみ不足な印象ですね。

 一応、『歩兵(偵察兵、突撃兵)×対戦車兵×戦車』3すくみの関係になってるのですが、偵察兵のクラスアップ後の「偵察猟兵」が機動力も攻撃力も飛び抜けた状態で異様に強くて、他の兵科はどんどん影が薄い存在に…

 結果として部隊が「偵察兵」だらけになってしまうバランスは、もうちょっとどうにかならんかったものか…
 (まあ他の兵科も『ステージによっては活用しないとならない』ので、その辺は良く考えてあると思うのですが。)


 難易度の高いステージも、単に初期条件が厳しいとか、異常なまでに敵が固いとかの『やたらと面倒臭いステージ』が多いのも考え物。

 敵が『ステータス異常(攻撃力、防御力低下)』が起こる攻撃を異様なまでに連発してきたり、無尽蔵にザコ兵士が湧いて来たりする(しかも経験値にも何もならない)のも面倒で、難しいというよりも『ウザい』と感じるステージが多くて、結構イライラさせられました。

 あと、終盤のステージは長すぎです。
 ステージの途中でもセーブできるので、そこまで困る事は無いっちゃあ無いんですが、最後の方のボス戦とかはボスの体力のあまりの多さにゲンナリしましたよ。
 (ここだけは、ホントにプレイヤーの忍耐力が試されます。)


 キャラクターの進化(クラスアップ)や武器の開発に関しても、いま一つ『強くなってる』という実感が沸かず(偵察兵→偵察猟兵を除く)、どうにも消化不良な感じ。

 まあ、プレイしてて苦痛になるような事は無く割と快適なゲームではあるのですが、どうにも爽快感や盛り上がりが無く淡々とプレイしてしまう印象なので、その辺のゲームバランスも踏まえて、もうちょっとしっかりと作られて居れば傑作になったと思うのですが…

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 ストーリーに関しては、あまりに王道すぎてちょっと微妙…

 『戦争なんかしなくても、同じ人間同士なんだから分かり合える』みたいな事を主人公が言ってる割には、主人公たちに敵対する「帝国軍」があからさまな悪役として描かれていて、結末も『悪い連中は全員やっつけられました』みたいな終わり方で『おいおい、全然分かり合ってないじゃん…』みたいな感じ。

 戦争をテーマにしてるんだから、敵軍をやたらと悪辣に描くというジブリアニメ風の勧善懲悪のノリを振りかざされても何だかなぁ…って思う訳ですが、まあ戦争風味の『ヒロイックファンタジーだと割り切れって事でしょうか?


 あと主人公は良い味のキャラなのですが、それ以外のメインの部隊員キャラに魅力が無くて、どうにも面白味に欠けるのは難点かな?
 キャラの書き込みもイマイチで、あまり感情移入が出来ません…
 (ぶっちゃけ、『感情移入するよりも展開が急すぎる』ってパターンが多い。)

 特にヒロインがステレオタイプの没個性で、個人的に全く好みじゃ無いのですが、自分の及び知らない所で勝手に主人公とラブラブになってくっ付いてしまうのは、何だかなぁって感じでした。
 (これなら「サクラ大戦」みたく、マルチヒロイン式にしてくれた方が良かったよ…)

 お話の方も、序盤がイマイチ盛り上がらない展開が続いた後に、ようやく『盛り上がって来たかな?』と思いきや、そのままクライマックスに突入してしまい、後半が異常に密度の濃いボスオンパレードみたいな展開で、ちょっとバランス的にどうなの…って印象です。

 個人的には主人公に感情移入出来なかったため、盛り上がる展開に感しても『淡々とストーリーを聞かされてるだけ』みたいな気分になったのが勿体無く感じました。
 その辺がもうちょっと上手く処理されてて、もっと燃える展開になってれば良かったんですがねぇ…

 やはり、ゲームの内容にしてもストーリーにしても、あまりに逆境の連発で爽快感が殆ど無いのが難点かなぁ?
 (クリア後や2周目のオマケ要素も微妙だし、基本的に苦労に対するリターンが無さ過ぎるゲームです。)

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 あとグラフィックの表現手法である、トゥーンシェイディングを水彩画タッチにみせるCANVASという手法は、なかなか凄いです。

 この部分は、本作でも手放しで褒めて良い部分だと思うので、とりあえずアニメ好きな人ならば、一見の価値アリでしょう。

 戦闘時のキャラのモーションとかに違和感はありますが、まあ別にFPSみたいにリアリティを求めるゲームでも無いですしね。

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 総評としましては、『ゲームのシステムやバランスに関しては良く出来た堅調な作り』ですが『シナリオやキャラクターに関しては微妙』ってのが正直な感想ですね。

 ゲームとしては突出して良く出来た部分は無いものの、セーブやロードのシステム周りや操作に関してもストレスが無く、普通に楽しく遊べるレベルには達していると思います。

 難易度的にはSLGの上級者には物足りないかもしれませんが、少し難易度が高めなのでSLG初心者にはちょっと厳しいかも?

 他人にオススメする程かと言われると疑問ですが、SLG好きで興味があるならプレイしてみても損は無いかもしれません。
 でも、『コレのために本体を買うほどのゲームか?』と言われると、そっちは大いに疑問ですね…

 全体的には良く出来ているのは良く出来ているんだけど、どうにも淡々とした印象で『熱中してプレイするには、もう一歩足りない』という感じの、何とも勿体無さを感じるゲームでした。