NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ジョシュア 悪を呼ぶ少年」(65点/サスペンス:結構オススメ)

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■■■「ジョシュア 悪を呼ぶ少年」■■■
(65点/サスペンス:結構オススメ)

 ブラッドとアビーの若い夫婦に待望の長女が誕生し、赤ちゃんはリリーと名付けられ周囲の皆からの祝福を受ける。

 しかし、兄である9歳のジョシュアは利発な少年であったが、生まれたばかりの娘を溺愛する両親に対して疎外感を感じるようになり、やがて妹や周囲に対して歪んだ感情を抱くようになって行くのだった…


 一人の少年の歪んだ嫉妬心から生じる愛憎劇を描いた、サイコスリラー映画。

 サンダンス映画祭等で絶賛された作品との事で、いわゆる『そっち系』の難解で理解不能の作品かと思いきや、意外と普通に面白いサスペンス映画でした。

 お話としては『小さな子供が新しく生まれた赤ん坊に嫉妬を抱く』ってのは割と良くある話ですが、本作は『もしその子供が天才的な頭脳を備えていたら…』といった感じのお話です。

 とは言っても『天才少年(少女)が悪意を抱く』という設定自体は、サスペンス映画としては割と使い古された設定で、そこまで目新しさは無いのですが、本作は『サンダンス映画祭』で評価されるだけの事はあって、何より『雰囲気作り』が非常に秀逸。

 特に『少年が悪意を抱くようになるまでのプロセス』が非常に上手に描かれており、中盤以降の両親が精神的に追い詰められていく様子や、一触即発のピリピリとした緊張感は一見の価値アリ。

 ストーリーの構成も非常に上手く、先が読めないながらも『なるほど、そう来たか!』というような納得の展開で非常に良く作られています。
 ただ、タイトルを観た瞬間に『少年が何かに悪意を抱いて行くんだろうな』というのが容易に予想出来てしまうので、あまり意外性は無いですけどね。

 また、いわゆる『ハリウッド映画的な派手さ』は無い全くもって地味な作品なので、一般受けは難しいかなという部分もあり、大作感を求める人には辛い作品かもしれません。


 総評としましては、堅調で地味な内容ながらもサスペンスとしての完成度は高く、なかなかに怖いお話です。

 サイコスリラー系の映画が好きで、特に心理的にジワジワと来るタイプの怖い話』が好きならば観ておいても損は無い作品だと思いますので、そういうジャンルが好きな人には特にオススメかな?

 久々に『正統派のサイコサスペンス映画』を観たなぁ…って感じの一本でしたよ。