■■■「ファイナル・デッド ダーク・ウォッチャー」■■■
(30点/モンスター)
過去の記憶を完全に奪われて、精神病院の隔離病棟のような場所に監禁されて目を覚ました4人の男女。
彼らは自分の名前すら分からないままに、何とか協力して謎の施設からの脱出を図ろうと施設の中を調査して回るが、得体の知れない実験装置のようなものが見つかるばかりで、施設の正体はようとして知れない。
やがて、脱出の当ても無く施設をさ迷う彼らの前に、闇の中を徘徊する得体のしれない怪物が姿を現し…
記憶を奪われ研究施設内をさ迷う人々を襲う謎の怪物の恐怖を描いた、シチュエーションスリラー風のモンスターホラー映画。
前作の「ファイナル・デッド」というと、ウェス・クレイヴンが製作に加わった『無人島で狂犬の群れが人を襲う』という設定のホラー映画だったので、何かソレと関係がある話なのかと思えば、B級ホラーにありがちな事ながらストーリーも設定もスタッフも何の繋がりもありません。
っていうか、別に「ファイナル・デッド」自体が特にヒットした作品でもないんだから、その作品の『なんちゃって続編』を邦題にしても大して利益が上がる訳でも無いでしょうに…
設定も何も関係ないんだったら、良く分からん類似タイトルを付けるのはやめませんかね?
ちなみに原題は「SHADOW PUPPETS」ってタイトルで、ファイナルもデッドもダークもウォッチャーも一言も含まれておりません。
お話の設定としては『記憶を失った男女が謎の施設をさ迷ううちに、正体不明の怪物が登場して…』というような感じで、「CUBE」を彷彿とさせるようなソリッドシチュエーションホラー風の出だしと、序盤の謎めいた展開はなかなか面白いです。
闇の中から姿を現さない怪物や、謎に包まれた登場人物たちの経緯なども興味深く、『コレはなかなか面白いのでは良い作品なのでは?』と期待してたのですが…
実際には、面白いのは『前半の謎めいた部分だけ』で、中盤以降の展開がとにかくチープ。
『壮大っぽい謎の提示』に対して『謎解きの解』や『事件の動機』がやたらと俗っぽい内容で、ストーリーが進んで謎がつまびらかにされていくにつれて、お話がどんどんショボくなっていくという酷い展開…
怪物の正体も中二病の学生が考えたかのような適当な設定だし、闇の中から姿を表した怪物のCGもパッとしない印象。
ラストのオチの付けかたや怪物の退治の仕方も取ってつけたような感じで、序盤の期待感に対して後半の展開がショボすぎです。
点数を付けるとしたら前半60点~後半10点ぐらいの割合で、コレだったらいっそ『オチを付けずに、投げっぱなしで謎だらけのまま終わった方がマシだったよ…』って感じの作品でした。
総評としましては、なんというか『設定だけは面白そう』なのに『蓋を開けてみると一発ネタの企画倒れっぽい微妙な内容』の作品でした。
序盤はそこそこ面白いんですが『観終わった後のガッカリ感が』辛いので、『あんまり観ないでもいいかなぁ…』って感じの一本です。
設定だけ面白そうなら、オチが投げやりでも耐えれるという人にならオススメしますが、そんな人はあまり居ないでしょう…
いやはや、いつもは『投げっぱなしの映画』って結構批判してしまうのですが、こういう映画を観ると一概にオチをキチンと付けるのが良いって訳でも無いものなのかもと思ってしまいますなぁ。