■■■「デッド・オア・ウェイブ」■■■
(30点/アクション)
サミット開催の迫るロシアで、地質的に安定しているはずのサンジュト市が大地震によって破壊される。
ロシア人物理数学者・セルゲイは、かつて自分が研究に関与していた『地震誘発システム』が関係しているのではないかと考え始める。
また、恩師のハリトノフ教授が地震により急死した事から、今回の事件の裏に何らかの陰謀が関与しているのでは無いかとの疑いを抱くようになるが、深夜に謎の男の襲撃を受けた事からいよいよその疑念を強めて行く。
やがて彼は、この事件の裏にとてつもない陰謀が隠されている事を知る事となるのだった…
地震誘発兵器を用いて政府転覆を企むテロとの戦いを描いた、ディザスターパニック風味のアクション映画。
最近、ちょっとだけロシア製のアクション映画が流行りつつあるようですが、本作もその流れを汲むアクション作品ですね。
ぶっちゃけ邦題タイトルのインパクトだけで借りたのですが、肝心の中身の方も…なんというか『タイトルのインパクトだけの映画』って感じですね。
地震誘発システムを使って、サミットに集まった要人を暗殺するというお話のアイデアはなかなか面白いですし、ストーリーそのものはそこそこ良く出来ているんですが…
何というか、とにかく展開がトロい。
100分ぐらいの映画なのですが、序盤の60分ぐらいはストーリーが全く前に進まずにひたすらとダラダラとした展開が続いて、終盤の30分ぐらいで一応話は進むものの特にコレといった盛り上がりも無く終わり…
地震と津波のシーンも、実質的に阻止されてしまうので別にディザスター映画というほどの派手さも無いですし、とにかく見せ場が無い映画です。
ロシア製のアクション映画らしくアクションシーンはなかなか力が入っており良く作られているものの、いかんせんボリュームが少なすぎで物足りないですし、カメラアングルの凝り方や演出の手法は上手いと思うのですが、それだけで100分の尺が持つ訳でもなく、どうにも退屈な映画でした。
この辺はハリウッド映画を見習って、もうちょっと要所要所に盛り上がるシーンを入れるなりアクションシーンを挟むなりすれば、もっと娯楽映画らしい内容になると思うのですがねぇ…
ロシアは芸術映画を長く撮っていた癖が抜けないのか、娯楽作品でもあまりそういう部分が意識されてない作品が多い気がしますよ。
総評としましては、特にコレというような見所も無くなんとも微妙な映画です。
酷評するほどツマんない訳でも無いのですが、オススメかと言われると別にそうでもないので、まあロシアのアクション映画に興味のある人ならばお好みで…って感じでしょう?
全体的に、もうちょっとテンポが良ければなぁ…と思うところの多い作品でした。