NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ゾンビーノ」(50点/コメディホラー)

イメージ 1

■■■「ゾンビーノ」■■■
(50点/コメディホラー)

 宇宙からやってきた『放射能の雲』の影響で死者がゾンビとして生き返りはじめ、人々は街の外に高い柵を作りゾンビ達の侵略から身を守っていた。

 しかし、ゾムコン社の発明した『しつけ首輪』によって捕獲されたゾンビのコントロールが確立された事でゾンビを労働力として扱う事が可能となり、人々は安価な労働力として一家に一人のゾンビを雇う事がステータスとなっていた。

 小学生のティムは父親のビルが極端なゾンビ恐怖症のため、未だにゾンビを雇って居なかったが、そんな彼らの一家も中流階級としての面目を保つ為に遂にゾンビを雇う事となる。

 ゾンビは『ファイド』と名付けられティムと仲良くなるが、ファイドが『しつけ首輪』の不調により近所の偏屈ばあさんであるヘンダーソンさんを食べてしまった事から、ティムはその事実を隠そうとして大問題へと発展していく…


 ゾンビが簡易な労働力として定着した世界でのゾンビと少年の友情を描く、コメディホラー映画。

 まあ、いわゆる『猛獣と少年の心の交流を描いた映画』のゾンビ版みたいなものとでも言いますか、そんな感じのお話です。

 一応、コメディホラーというジャンルですが、どちらかと言うとコメディ色が強めで「バタリアン」とか「ショーン・オブ・ザ・デッド」みたいな『ホラー寄り』の作品では無く、もっと『コメディ寄り』の作品ですね。

 でも『ソンビと少年の心の交流』なんて爽やかそうな事を書いてますが、ぶっちゃけ結構な人数の人死にが出たりするので、別に爽やかでも何でもありません。

 かといって、お馬鹿ホラーって程にブラックユーモアが効いている訳でも無く現代社会に対する皮肉や風刺は描かれているのですが、それで笑わせたいのか社会批判をしたいのか、どうにも中途半端な印象。

 偏屈ばあさんやらいじめっ子やら、(視聴者的に)気に入らない連中が殺されまくって関係ない人たちも巻き込まれて死にまくっているのに、爽やかに暮らす家族の姿を描かれても、『それって笑うところ?』って感じでちょっと困惑してしまいます。

 まあ、命に対する価値観が崩壊しつつある現代社会への風刺なのかもしれませんが、それにしてはユーモアにパンチ力が無く…
 また、『人間よりも人間らしいゾンビ』を扱う事で『本当の人間性』をテーマとしたコメディとして描いてるんだとしたら、それにしては残酷すぎて笑えない印象で、なんかどっち付かずな作品なんですよね。
 せめて、もっと徹底して不謹慎な内容なら良かったんでしょうけど…

 もっと、『ホラーを撮りたい』のか『コメディを撮りたい』のか、ハッキリとさせた方が良かったのでは無いかと?

 冒頭の、世界背景の解説のシーンの「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」のパロディはそこそこ笑えましたが、それ以外の部分に関しては『なんだかなぁ…』って感じで、ちょっと『出オチ映画』って印象の作品でした。


 総評としましては、そこまでツマんない訳では無いですが、作品の方向性が見えずにどうにも困惑してしまう作品です。

 たいして笑える訳でもなく、心温まる訳でもなく、怖い訳でもなく…どういう方面にオススメとも言えないですが、とりあえず『変り種のホラー映画』を観てみたいという人なら、話のネタ程度に観ておいても良いのでは無いでしょうか?

 ぶっちゃけ、『だから何なんだ?』って感じの映画でしたよ…