■■■「悪霊のしたたり」■■■
(10点/スラッシャーホラー:地雷注意)
とある若者のグループが、カヌー遊びをする為に山奥の湖のあるオールドマインズという町へとキャンプへと訪れる。
その場所には『殺人鬼坊や』が現れるというウワサがあり、町の住人からは『今すぐ引き返せ』という警告を受けるが、若者たちはウワサの真相を確かめるために意気揚々とキャンプ場へと乗り込んでいく。
しかし、実はこの町の住民たちこそが『殺人坊や』を訓練し隠蔽している張本人であり、若者たちは町から差し向けられた『殺人坊や』によって一人、また一人と惨殺されていくのだった…
キャンプ地で謎の殺人鬼によって若者たちが惨殺されるという、(なんともありがちな設定の)カナダ製のスラッシャーホラー映画。
タイトルやパッケージを見て、記憶力の良い人なら『なんとなく見覚えがあるかも?』と感じるかもしれませんが…
以前にウチのBLOGで、超低得点をマークした「悪霊のいけにえ」のジェレミー・ウォーレンス監督による新作ホラー映画です。
>http://blogs.yahoo.co.jp/uei_nanigashi/21604862.html
前作が「悪魔のいけにえ」のパクリタイトルだったのに大して、今回は「死霊のしたたり」のパクリタイトルですね、分かります!!
(つっても、原題は「死霊のしたたり」とは全く関連が無いんですが。)
いやもう、前作が100点満点中『3点』とかって評価だったので、ちょっと改善すればどうにかなるようなレベルの監督じゃない訳で、絶対に新作も面白い訳が無いんですが…
まあ、やはり人間『怖いもの見たさ』(←ホラーとは別の意味で)ってのがあるじゃないですか。
という訳で、自爆覚悟のネタ映画として借りてみたのですが…
今回は、前作から見違えるような進歩を遂げている…なんて事は無くて、いやはやあいかわらずコレは酷い映画ですな。
まず物語の構成が酷く、やたらと意味も無くダラダラと長いだけで別に面白くも無い事件の前振り。
更に取ってつけたように、唐突に10分ぐらいかけて語られる殺人鬼の生い立ち設定。(もちろん、その設定が後のストーリーに活かされる事はなし。)
コレといったオチも無く、ホントに唐突に終わるラストシーン。(ちょっと、「悪魔のいけにえ」のオマージュっぽい?)
もう、Z級ホラーのお手本と言わんばかりに『山なしオチなし』の王道を突っ走っております。
ただ、前作に比べるとまだ『ホラーらしい構成』にはなっており、前作のように観てて開いた口がふさがらなくなるような状態では無くて、まあ一応は『ホラーとして観れる』レベルには進歩しているかも?
逆にバカっぽさが減ってしまった感はあり、前作ほどのクズ映画としての強烈なインパクトを放って居ないのは残念な所。
といっても、前作のダメっぽさが100%だったのに対して、今回は90%になった程度で、やっぱ十分にバカな内容ではあって…
相変わらず『これ作るの大変だったんだよ、ゆっくり見ていってくれよ!!』と言わんばかりに、やたらと長廻しで撮影される惨殺死体のシーンとかも笑わせて(むしろ微笑ましい。)くれますし、殺人鬼の姿も『ズタ袋を被った大男』という『どこかで観たようなデザイン』なんだけど、被っているのが何故か『キャラクターものの枕カバー』というのもアホ臭くて笑えます。
細かいツッコミどころは、もうツッコむところが多すぎてキリが無いので省略しますが、マジメなツッコミレビューを書く2分に1回ぐらいはツッコミを入れねばならず『大変な事になる』ことウケアイの作品ですね…
総評としましては、マジメにレビューすると何所を誉めれば良いのか見当も付かないので、『こんなもん評価も何も無いわ!!』って感じのまあ酷い出来の一本です。
普通にホラー映画を観ようとしている人が観ると、マジギレして暴れだすんじゃないかと思うぐらいに酷い出来なので、少なくとも真っ当なホラーを観たい人は観てはいけません。
よっぽど自虐的で『クソ映画に快感を覚える人』か、ネタ映画と割り切って『笑うために観る』というのなら、まあそれはアリなんじゃないかと…
少なくともツッコミレビューを描くのに、これ以上ない程に適した題材だとは思いますので。
そういえば前作を観た時に、パッケージにわざわざ『ジェレミー・ウォレンス監督作品』という記載がある事に『こんな監督、聞いた事も無いわ!!』とツッコミを入れましたが…
あの記載は『これからも、この監督のZ級映画をどんどんリリースしていくぜ!!』というメーカーからの警告だったのですな…それなら何となく納得です。
という訳でホラーファンは、この監督の『悪霊の~~』シリーズには要注目(悪い意味で)ですぞ。