NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「デッド・メアリー 鮮血浴」(55点/オカルトサスペンス)

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■■■「デッド・メアリー 鮮血浴」■■■
(55点/オカルトサスペンス)

 週末に人里離れた山間のロッジに遊びに来た大学生の男女7人は、参加メンバのうち一組のカップルが破局を迎えたため、楽しいはずの週末はどこか剣呑な雰囲気になっていた。

 そんな中、怪談話で盛り上がった際に「デッド・メアリー」という都市伝説のゲームの話題になり、肝試しとして実際にそのゲームをやってみようという話になる。

 果たして彼らがゲームを繰り返すうちに、ロッジでは不気味な現象が起こるようになり、やがて彼らの仲間の一人が森の中で変死体で発見されるが、発見された死体は、身体をバラバラにしても死なないというゾンビのような怪物に成り果てていたのだった…


 アメリカの有名な都市伝説を題材とした、サスペンス風味のオカルトホラー映画

 深夜に鏡の前で3回名前を唱えると亡霊が出現するという『ブラッディ・メアリー』の都市伝説は日本でも割と有名ですが、本作で述べられる「デッド・メアリー」というのは…

 『ロウソクを持って鏡の前で「デッド・メアリー」と3回唱えると、鏡の中から死んだ魔女の亡霊である「デッド・メアリー」が現れる。』

 というもので、どうやら「ブラッディ・メアリー」の派生版っぽい物のようですが、派生としてホントにそういう都市伝説が存在するのか、本作の中でのみのオリジナルの設定なのかは良く分からないものの、とにかくそんな感じのお話です。

 内容としては、てっきり「キャンディマン」風の『不死身の殺人鬼が登場するスラッシャーホラー』なのかと思えばそうではなく、どちらかというと「遊星からの物体X」風の『人体乗っ取り』を行う怪物の登場するモンスターホラー映画といった感じ。

 ストーリーの中盤で、主人公達が『魔女が身体を乗っ取る』という事実を、まるで規定事項のように受け入れているのは気になりますが、『誰が魔女に乗っ取られているのか全く分からない』という緊張感の表現はなかなか上手く出せていると思います。

 序盤が主人公たちの恋愛がらみのゴタゴタを中心とした会話劇で構成されており、やや展開が冗長な部分もありますが、序盤で語られる『主人公たちのグテグテな人間関係』が後半の仲間同士での不信感を増加させて緊張感を高める要素となっているのは、非常に上手い構成だと思いました。

 魔女に取り憑かれた人間が赤裸々に『主人公たち浮気の秘密とか』を語りだして、どんどんドロドロとした展開になっていくのはなかなか面白いです。

 ただ、途中から人間関係があまりにもドロドロになりすぎて、『こりゃ、マトモなオチが付かないな…』というのが読めてしまうのは、ちょっと残念な部分かな?

 ちなみにサブタイトルに『鮮血浴』とか付いていますが、そこまで強烈な血みどろの表現は無くて、どっちかって言うとサスペンス要素が強い感じのお話ですね。


 総評としましては、想像とはかなり違う方向性のお話ながら、意外に良く出来た佳作B級ホラー程度のレベルの作品ではあると思います。

 『ドロドロとしたサスペンスホラー』が好きな人ならば、それなりに楽しめるとは思いますが、逆に『普通のスラッシャーホラーやモンスターホラー』的なノリを期待してると、ちょっと肩透かしを食らうかも?

 コレでオチとかの落としどころがもう少し上手く作られてれば、結構な良作になってたと思うのですが、そういう意味ではちょっと惜しい感じの作品でした。