■■■「ゾンビリアン」■■■
(30点/ゾンビ映画)
ある日、地球の近辺に飛来した謎の隕石がの破片が地上に落下する。
当日に恋人のミミと共に深夜のキャンプに出ていた医者の卵であるスティーブは、その翌日に街へと戻る途中でまるで『ゾンビ』のように変わり果てた街の住人に襲われる。
パニックに陥りピンチの所を、通りがかった男性に救われた彼らは、生き残った街の住人達が集まっている、北米防空司令部(NORAD)の跡地と思われる施設へと案内される。
しかしソンビとからの逃亡中に腕を噛まれたスティーブは、ゾンビたちと同じ病気に感染しているのでは無いかと、他の住人から疑いを抱かれるようになり…
謎の隕石に乗って飛来したエイリアンによって、人間がゾンビ化して人々を襲うというパニックホラー映画。
「ゾンビリアン」なんて大層タイトルが付いていますが、まあ割と普通のゾンビ映画ですな。
一応、寄生生物といてエイリアンも登場しますが、『だから何なんだ?』って程度です。
舞台が軍事施設の跡地で、周りをゾンビに取り囲まれているという状況から、どことなく「死霊のえじき」(DAY OF THE DEAD)オマージュっポイものを感じますが、ぶっちゃけそこまで上等なお話ではありません。
(原題も「Days of Darkness」と、なんとなくソレっぽいタイトルですね。)
というか、隕石の落下の影響で世界中にゾンビが出没し『世界規模の大パニックが起こり始めてから半日後』ぐらいの設定の筈なのに、軍も警察も全く現れずに『軍事施設跡の廃墟で数人の登場人物を中心にストーリーが展開していく』って展開は流石に無理があるかなぁ?
警察や軍隊が機能しなくなるには早すぎるし、一般人が環境に順応して立てこもりを行うには適応力が高すぎです。
『文明が崩壊して半年後』とかって設定なら、この小規模な舞台も理解できますが…
お話の流れ的には『ゾンビに囲まれた基地内での人間同士の衝突』やらを中心としてパニックが描かれる訳ですが、登場するキャラにいま一つ魅力が無く上記のとおりに『舞台背景も不自然』なので、どうにもあまり盛り上がりません。
物凄く嫌な性格の奴が何の理由も無く会心して、突如として『いい奴』になったりと、ご都合主義全開なストーリー展開もどうにも釈然としませんし…
ラストで唐突に明かされるエイリアンの弱点も、『そんな分かりやすい弱点なら、とっくに皆気付いてるだろ?』って言うようなもので、何というか色々と無理がありすぎです。
なんとなく「死霊のえじき」っぽい話をやりたかったのは分かるんだけど、もうちょっと考えて脚本を書こうよ…って感じのお話でした。
総評としましては、コレといって語るべき所の無い『微妙な出来のD級ゾンビ映画』ってのが、なんとも正直な感想ですね。
描きたい方向性は良く分かるのですが、どうにも全体的に監督の力量不足を感じました。
低予算なら低予算なりに「エイリアン」も「ゾンビ」もと欲張らずに、『もうちょっとシンプルな話』にしておけば、それなりに観れる映画になったんじゃ無いかという気もするので、ある意味で力量の見極めに失敗しちゃった映画なのかも…
方向性や見せたい物を絞った方が良かったのかもしれませんね。