■■■「FREAKSHOW -フリークショウ-」■■■
(30点/スラッシャーホラー)
フリークス(畸形人間)達の運営するサーカス団に、身を隠す為に潜り込んだ指名手配中の犯罪者であるルーシーとその一味は、ある日、サーカスの団長が莫大な隠し財産を所有していると言うウワサを聞く。
彼女たちは団長をたぶらかしてその全財産を奪う事をもくろむが、計画の成功目前にしてその計画は失敗。
自分達の計画がバレたと判断した彼らは方針を強攻策に変更する事を決定し、一人の団員の少女を殺してしまう。
仲間を殺された事で怒りに囚われた団員たちは、よそ者である犯罪者の一味に対して凄惨な復讐を開始するのだった…
仲間を殺されたフリークス(畸形人間)が復讐のために犯罪者達を惨殺するという、スラッシャーホラー映画。
往年の『奇人変人ビックリショー』に登場するようなフリークス達が、悪い連中に復讐をするというアイデアは良いのですが、何と言うか…ちょっとアイデア倒れな感じのお話ですね。
変人や畸形人間やかたわ者といったフリークスの集まった、かつてのサーカス団にあった見世物小屋的な雰囲気は良いのですが、いま一つフリークスの面々の個性が乏しく、どうにも面白味に欠けます。
ストーリーもやたらと冗長で本編は90分程度の作品なのですが、最初の60分ぐらいはダラダラとコレといった事件の起こらないサスペンス風の展開が続き、ようやく事件が起こったと思いきや、急転直下の惨殺祭りみたいな展開でお話が盛り上がる間もなく終了。
フリークス達の復讐のシーンに関しても、フリークスらしい不気味な殺し方とかってのは殆ど無くて、淡々と被害者が殺されていくだけ…
『世界43ヶ国で上映を禁止された衝撃のラストシーンに注目!』とパッケージの売り文句になってるとおり、確かにラストシーンの展開は衝撃的ですが、それを観るために80分近くのダラダラした悠長な展開を見せられるのは流石にいただけません。
せめて、フリークスの復讐のシーンが本編の半分ぐらいの長さがあって、もっとフリークスの個性を活かした虐殺シーンでも描かれてれば、それなりにトンガった面白い作品になったかもしれませんが…
胡散臭いサーカステントの雰囲気や映像のセンスは悪く無いので、なんとも残念な作品でした。
総評としましては、アイデアは悪く無いんだけど『何とも物足りなさの残る残念な作品』です。
フリークショーの胡散臭さや凄惨な復讐のシーンをメインに描こうとしてる作品の割には、どうにも作品そのものがパワー不足の感が否めません。
「バスケットケース」シリーズとかみたいに、もうちょっと徹底的に『フリークス大暴れ』な部分を強調してグロを中心に描いてくれれば、割と見れる作品になったんじゃないかなぁ…
フリークスもののホラー映画が好きな人には、ちょっと物足りなさが残る内容だと思うので、あんまりオススメは出来ないかなぁ?
ウリ文句である『衝撃のラストシーン』が気になる方は『まあ、お好みで…』って感じでしょうか?