■■■「デッド・サイレンス」■■■
(25点/オカルト)
妻と2人で暮らすジェイミーは、ある日、差出人不明の不気味な「腹話術の人形」が入った小包を受け取る。
不審に思いつつも人形の事はさておき、妻を自宅に置いて夕飯の買い出しから帰ってみると、妻のリサが何者かの手によって『舌を切り取られた上に惨殺されている』のを発見する。
警察に事件を通報したジェイミーだが、警察は逆に自分に妻の殺害容疑を抱いており、マトモに事件の調査をするつもりがない事を知った彼は、人形を贈った相手こそが妻を殺した犯人ではないかと考え、独自に人形の贈り主の調査を開始する。
彼は、人形のケースに書かれていた地名と、妻が死の直前につぶやいた『メアリー・ショウにご用心』という謎の詩から、自分と妻の故郷である「レイブンス・フェア」という寂れた町に事件の秘密が隠されていると考えるが…
「ソウ」シリーズのスタッフの脚本による、サスペンス風味のオカルトホラー映画。
パッケージに「『ソウ』の次はこれだ!!」みたいな売り文句や、『衝撃の結末』みたいな事が書かれていたので、てっきりサスペンス映画なのかと思いきや… 実は単なるオカルト映画でした。
まあ、オカルト映画でも面白ければ良いんですが、何と言いますか全体的にちょっと『微妙』な作品です。
脚本やら演出やらで「ソウ」っぽい雰囲気を狙ってるのはわかるのですが、演出力があまりなくてどうにも全体的に『安っぽい』印象を受ける内容。
オカルト映画なんだけど、サスペンス風のミスリードを誘うような演出がアチコチになされており、お陰でお話のテンポが悪くて冗長さが拭えません。
そもそもモンスターが登場するオカルト映画なんだから、素直にモンスターを全面に押し出しておけば良いのに、どことなく『サイコサスペンスを臭わせる』ような雰囲気の持って回ったストーリーが設定されている為に、視聴者は全く無駄な『謎解き』を考えさせられて、しかも割を食ってモンスターの出番が少なくなってるせいで、どうにも中盤の展開がダルい。
まあでも、終盤のモンスターの登場するシーンはソレなりに盛り上がるのですが、オチの『衝撃の結末』は明らかに蛇足。
そもそも、モンスターが登場してる時点で『何でもアリ』なのに、その後に「ソウ」の二番煎じ風の『意外なオチ』を持って来られても『だから何だよ?』みたいな感じ…
いや、モンスターが『意外なトリック』を使っても別に全く驚かないし、トリックなんぞ使わなくても実力行使すりゃいいだけだろ?
ホントに『アホか!?』と言いたくなりましたよ。
総評としましては、ぶっちゃけて言うと『単なるダルい展開のオカルトモンスター映画』ってのが正直な感想ですね。
「ソウ」のようなサイコサスペンスのようなノリを期待して借りると、本気で『ハァ!?』って感じになるので要注意です。
ホントに「サイコサスペンス」にするか、素直に「モンスターホラー」として撮っておけば、それなりに観れる作品になったと思うのですが…
それなりに予算もかかってるっぽいのになんともガッカリな出来で、ある意味で『今年一番のションボリ映画』と言えるかも…