■■■「レイク・デッド ケインとアベル」■■■
(30点/スラッシャーホラー)
ある日、三姉妹の長女であるブリエルは、父から遥か過去に他界したと聞かされていた祖父が、実はまだ存命しており昨晩死亡したという連絡を受ける。
祖父の遺産を相続する事になった彼女は、妹であるサムや婚約者のベンと共に、人里離れた街外れの湖畔にある「レイクモーテル」へと訪れる。
先に来ていた筈の、もう一人の妹であるケリーが居ない事を不審に感じつつも、相続するモーテルの下見も兼ねてキャンプを始めた彼らだったが、そのモーテルには、恐るべき双子の殺人鬼が潜んでおり、やがて彼女たちは自分の一族にまつわる恐るべき秘密を知るのだった…
湖畔のモーテルに住む殺人一家と双子の恐怖を描いた、スラッシャーホラー映画。
登場する殺人鬼が双子で、その名前が「ケイン」と「アベル」と言う名前である事からサブタイトルに「ケインとアベル」とか付いておりますが、内容の方はごくごくありきたりな殺人鬼の登場するスラッシャーホラー映画です。
別に運命により引き離された双子が、宿命的な再開を果たして激しく対立していく…というような人間ドラマは一切描かれておりません。
まあ、監督が『殺人鬼が双子である』という設定から、なんとなく「ケインとアベル」という名前を付けただけでしょう…
内容的には、ちょっと「悪魔のいけにえ」っぽい雰囲気を漂わせつつも、主人公達の生い立ちに『ちょっとだけサスペンス風味もある』って感じの、ごく普通のスラッシャーホラー映画ですね。
『サスペンス風味』があるといっても別に深い謎解きがある訳でもなく、特に捻りも何も無いような内容の映画ではありますが、『直球ストレートなコテコテの展開』は別に悪くも無い感じです。
お話のテンポも割と良く、中盤が若干中だるみするものの途中で退屈する程に酷い内容でもありません。
ただ、とにかく『本作ならでは』という特徴が全く無いのが、ちょっと辛いところでしょうか?
殺人鬼も一応は『双子』という設定はあるものの、その設定が特に活かされている部分が無く特にコレといった個性も無しで、ストーリーは「悪魔のいけにえ」のオマージュ風ですが、コレも本家には遠く及ばず…
残虐描写も特撮も『標準的な低予算B級ホラー程度』の完成度のため、ごく普通の『ショボ目のB級スラッシャーホラー』で終わってしまっている感じですね。
唯一インパクトがあったのは、途中から主人公達が『どっちが殺人鬼だよ?』ってぐらいに容赦ない反撃を行うのが、ちょっと印象に残ったポイントかも?
でも、ソレも別に『ホラー映画の評価ポイント』になる程の要素とも違うんですよね…
せめて、何か本作ならではのアピールポイントでもあれば、それなりに面白い作品になったと思うのですがねぇ…
総評としましては、別段酷くも無い内容ながら『いま一つな作品』という形容がこれ以上にピッタリくる映画も無いかも?って感じの一本でした。
あえて貶す(けなす)ほどに格段に酷い部分も無ければ、コレといって誉めるべきポイントも全く無いという…
何とも『無個性な点』を除けは水準以下って訳でもない作品ですので、まあホラーファンなら観ても激しく後悔する事は無いと思いますが、かと言って敢えてオススメする程の作品でもありませんので『趣味に合いそうならお好みで…』といった所でしょう。