NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「HAKAIJYU 破壊獣」(15点/モンスター)

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■■■「HAKAIJYU 破壊獣」■■■
(15点/モンスター)

 アメリカ南部の寂れた街で5人組の悪党共による銀行強盗が発生。

 逃走中に一人の女性の乗った車と接触事故を起こして車を壊してしまったた強盗たちは、女性ドライバーを人質に近くの森の中へと逃げ込んでしまう。

 地元の保安官のゼフは、部下たちとと共に森の中へと悪党共の追跡を開始するが、その森は伝説の怪物である『サスカッチ』の潜むとウワサされる場所であった…


 人里離れた森に入った人達が伝説の怪物『サスカッチ』(ビッグフット)に襲われるという設定のモンスターホラー映画。

 最近のB級映画業界では最近流行りのクローバーフィールド HAKAISHA」のなんちゃってタイトルシリーズ。

 ちなみに本作は邦題でタイトルをパクっているだけで、当然ながらストーリーも設定も「クローバーフィールド」とは全く関係ありません。

 お話の方は、森に入った強盗団と警官の面々が正体不明の獣人『サスカッチ』に襲われるという、まあホントにそれだけのお話です。

 内容の方は一言で言うと『酷い出来の話』ですな…

 何が酷いって、まず特撮のレベルがありえない位にショボい。

 サスカッチ』はどう見ても『単なる気ぐるみを被った人』以外の何者でもなくて、アメリカで撮影された有名な『ビッグフットの写真』(ビックフットが振り向き気味のアングルで背後から写されている写真)がありますが、まさに胡散臭い部分や作り物っぽい部分に至るまで、まさしく『あのまんま』!!

 そういう意味では、まさしく『再現度100%』『凄まじいまでの完成度』とも言えます。

 で、その着ぐるみを着たオッサンが強盗や警官たちを襲うのですが、この襲撃シーンがコレまた凄まじいほどに緊張感が無い。

 そもそもモンスターの襲撃シーンなんぞ『着ぐるみのオッサンが暴れているだけ』なんだから、特撮の費用とか殆どかからない筈なのに、何故か『イメージ映像』を用いた一人芝居のシーンがやたらと多い。

 そりゃ、『CGで作られたモンスター』みたいに人間との絡みが難しくて、画面に出ているだけで予算がモリモリと消費されていくような作品ならば襲撃シーンが『イメージ映像』なのも分かりますが、こんな着ぐるみ映画で『襲撃シーンの撮影予算が無い』って、どんだけ低予算だったんだよ…

 ストーリーの方も何だか適当で、怪物に大して追い詰められてる訳でもないのに、強盗と警官たちが唐突に和解して共同戦線を張ってみたり、唐突に仲良くなった主人公たちが強盗たちと過去や信念を語り合ったりと、どうにも説得力の無い展開。

 ラストのビッグフットを退治するシーンも意味不明の演出ですし、ラストの『ちょっといい話』的な無理矢理な終わらせ方も、主人公たちのキャラクターが描ききれて居ないので全く説得力なし。

 まあ、作品として『描こうとしている方向性』は分かるんですけどね。
 そういう方向性の作品を撮る為には、もっと監督が『キャラクターやシチュエーションを描く技量』を身に付けてからの方が良いんじゃないかと…
 どう考えても、自主制作映画風の『自己満足作品』で終わってしまっているのは何ともはや…


 総評としましては、とにかく色んな意味で『物凄く安っぽい作品』ですな。

 耐えれないほどツマんない訳でもないのですが、だからといって『コレを観せられて、どうしろと言うんだ?』と言う感想しか思いつかないような作品です。

 一応、主人公をランス・ヘンリクセンが演じているので『ファンならばまぁ…』って所かもしれませんが、観終わった後に妙に困惑した気分になることウケアイですので、『微妙な気分』に浸りたい人ならばドウゾ。
 (「絶望先生」風に言うなら、『最低限の文化的』の水準すらもギリギリ満たしてないような作品じゃないかと…)