■■■「プテロドン 零式戦闘機 vs 翼竜軍団」■■■
(40点/生物パニック)
1945年の春、第二次世界大戦末期。
太平洋の制海権を巡って日本軍と米軍は、太平洋の孤島を舞台に激しい戦闘を続けていた。
そんなある日、ハワイのヒッカム飛行基地に所属する婦人航空隊のマックスは、嵐の中を空軍の大佐と共に『極秘の荷物を積んで太平洋のテニアン島へと飛行する』という任務を指示される。
しかし任務の遂行中に、雷雲の中から突然に現れた謎の飛行物体の襲撃を受けた彼女たちは、エンジンを破壊されて太平洋の名も知れぬ孤島へと不時着する事になってしまう。
何とか着陸に成功して九死に一生を得た彼女たちだったが、その孤島の上で『何者かの襲撃によって壊滅状態にある日本軍の前線基地』を発見。
やがて彼女たちは前線基地の生き残りの日本兵から、その島に『太古の時代より蘇った恐るべき翼竜の群れが棲息している』という驚くべき事実を知らされるのだった…
南海の孤島に不時着したアメリカ軍兵士が、翼竜の群れと戦うという生物パニックホラー映画。
『航空婦人隊の面々が、鹵獲(ろかく)したゼロ戦に乗って翼竜と闘う』というアイデアだけを聞くとなかなかに面白そうな作品なのですが、ホントにアイデアのみの一発ネタ企画っぽくて、それ以外は凡作といった感じの生物パニック映画です。
一応、生き残った日本兵との命をかけた駆け引きや、主人公たちの人間ドラマといった部分も描こうとしてはいるのですが、どうにもキャラクターもシナリオも書き込み不足。
途中で『決死の脱出作戦』を遂行する事になった女性兵士が、唐突に空軍の兵士と恋仲になって非常に分かりやすい『死亡フラグ』を立ててくれたり、主人公たちが運搬している荷物が『実は原子爆弾』だったりと、非常に分かりやすい物語の伏線は張っているのですが、どの伏線もあまり上手く消化されておらず、どれも『だから何だったの?』というようなアッサリした内容で、とにかく印象に残らない映画ですね。
アメリカ映画なんでしょうがないですが、日本軍兵士の存在が肝心の怪物との対決シーンでは『空気扱い』なのも残念なところです。
特撮のレベルとしては、見せ場である『翼竜とゼロ戦との戦闘』は割と頑張って作っては居るのですが、ゼロ戦がCGで作ってる割には矢鱈と安っぽくて『プラモデルにしか見えない』のは難点か?
翼竜に関しては、ランフォリンクス風のデザインでCGは割と良く出来ております。
(ランフォリンクスにしては、異様にデカいのはアレですが…)
ただ翼竜がCGの完成度の割に、いま一つ見せ場が少ないのは勿体ないかなぁ?
もっとバンバンと人間を襲いまくって欲しかった…
でも、お話そのもののテンポは非常に良くて、途中で退屈せずに観れるって点は割と誉めても良い点かなぁ?
総評としましては、とりあえずコレという程の見所は無いものの『可も不可も無い』という感じのB級モンスター映画ですね。
翼竜とゼロ戦が闘うってのは『アイデアとしては悪く無い』んだけど、そのアイデアに限らず『全体的にアイデアを消化しきれてない作品』ってのが、正直な印象と言える一本でしょう。
あまり欲張らずに、一つのテーマをもうちょっと掘り下げて描いたらそこそこ面白くなったかもしれないので、ちょっと残念な印象の作品でした。