■■■「テイルズ オブ ヴェスペリア」:(J-RPG/85点)■■■
Xbox360のRPGラッシュの第一弾として発売された本作ですが、実は私は「テイルズシリーズ」というのは今までプレイした事が無く、何となく本シリーズは『若年層向け』というイメージがあったので『Xbox360ユーザに受け入れられるのかな?』と危惧していたのですが…
いやはや、正直スマンかった!!
結論から言うと、素直に『これは、プレイして良かった!!』と言えるぐらいに無茶苦茶良く出来た作品で、他のゲームを放置して「TOV」ばっかり遊んでしまうぐらいにハマってしまいました。
(結局、1周クリアまでに120時間もプレイしてしまった…)
(結局、1周クリアまでに120時間もプレイしてしまった…)
とまれ近年プレイした和製RPGの中では、ブッチ切りの高評価で、タイトルでは総評として『85点』を付けておりますが、個人的な趣味の満足度だけで言うならば『95点』ぐらい付けても良い作品でしたよ。
何が良く出来ているって、とにかく総じて『ゲームの完成度』が高い!!
ゲームシステムやゲームバランスが非常に良好で、『オーバーリミッツ』や『フェイタルストライク』というテクニカルな技を用いたやり込み要素がありつつも、割とアバウトな進め方でゴリ押ししても何とかなってしまう、初心者から上級者までをフォローした間口の広い絶妙のゲームバランス。
(プレイ中の好きなタイミングで、任意に難易度変更できる所も良いですね。)
(プレイ中の好きなタイミングで、任意に難易度変更できる所も良いですね。)
プログラム周りも非常に良く出来ており、ロード時間を殆ど感じさせない作りで、とにかくストレスを感じる要素が少なくて、恐ろしいほど『丁寧に作られている』事を感じさせます。
ストーリーはアクマで『王道』を貫き通した作品ですが、主人公達が貫き通す『正義』が『それぞれの立場での正義』なので、ちょっと捻られた感じの設定ではありますね。
良く言えば『ちょっと大人向け』悪く言えば『ひねた展開』なので、この辺はプレイヤーによって賛否両論あるかも?
(まあ、最後には物語がキチンと収束するんで悪くはなかったですが。)
良く言えば『ちょっと大人向け』悪く言えば『ひねた展開』なので、この辺はプレイヤーによって賛否両論あるかも?
(まあ、最後には物語がキチンと収束するんで悪くはなかったですが。)
また、個人的に本作で『突出している部分』だと感じたのは、とにかく登場するメインキャラクターが非常に魅力的だという事。
ちょっとアウトローっぽい皮肉屋だけど『大人の対応』が出来る主人公のユーリのカッコ良さに、天然ボケのお姫様のエステルの可愛らしさ、エステルLOVEな天才魔道少女リタのツンデレっぷりに、パーティのマスコット的イジられ役のカロル先生の成長っぷり、どこまでも胡散臭いレイヴンに、お色気担当なジュディスと、全員が非常に魅力的。
彼らの掛け合いを見ているだけでも物凄く楽しいので、とにかくプレイしてて全く飽きません。
(戦闘の勝利デモでの『キャラ同士の掛け合い』を見るのが楽しみなゲームなんて、他に知らないですよ。)
(戦闘の勝利デモでの『キャラ同士の掛け合い』を見るのが楽しみなゲームなんて、他に知らないですよ。)
ぶっちゃけ、この『主人公格のキャラクター達』さえ気に入れば、他に不満を感じる部分が殆ど無いので、ほぼ間違いなく本作を十二分に楽しむ事が出来るでしょう。
が、ゲーム本編に不満点が全く無いかと言われると、そういう訳でもなく…
逆を言ってしまえば、『王道のストーリー』は『ありきたりなお話』ですし、『完成されたシステム』も『既存システムのブラッシュアップ』に過ぎないといえる為、『せっかく次世代機に来たんだから、もっと進化して欲しかった』という評価をしてる人も少なくないようです。
私は「テイルズシリーズ」が初体験なので新鮮に遊べましたが、実際に『もうちょっと「尖がった部分」があっても良かったんじゃないか?』と感じない事も無く、シリーズを通して遊んでいる人には少々退屈に感じる部分もあるのかもしれません。
シナリオに関しても、王道のストーリーに関しては個人的には悪く無いと思うのですが、ストーリーの盛り上がりに対して『演出がやたらと淡白』で地味なシーンが所々に見られて、『ちょっと派手さに欠けるかなぁ?』と感じたシーンが所々にあったのも事実。
盛り上がるシーンでは、もうちょっとムービーとか演出とかに力を入れて欲しかったかも?
(特にポリゴンキャラのリアルタイムデモが、微妙に演出が地味だったり…)
(特にポリゴンキャラのリアルタイムデモが、微妙に演出が地味だったり…)
あと終盤の展開(精霊集め等)は、シナリオ展開もダンジョンの構成も『ちょっと冗長な印象』を受けたので、もうちょっとサクサクと物語が進んでも良かったかなぁ?
(ラスボスやラストダンジョンも妙に地味だしね…)
(ラスボスやラストダンジョンも妙に地味だしね…)
でもオマケとしてのサブイベントが多くて、やり込み要素が豊富なのは良いですねぇ。
サブイベントによって、サブキャラのエピソードが補完されていたりするのも面白くて、イベント回収の為に意味も無く世界中をウロウロしてしまいましたよ。
サブイベントによって、サブキャラのエピソードが補完されていたりするのも面白くて、イベント回収の為に意味も無く世界中をウロウロしてしまいましたよ。
ただ、サブイベント回収の為のヒントが殆ど無くて、『攻略法なしではイベントの完全回収の難易度がかなり高い』ので、もうちょっとヒントがあっても良かったかも?
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とまれ総評としましては若干の不満点も無くもないですが、何のお世辞も贔屓目も抜きに完成度・満足度ともに非常に高い『和製RPGの良作』だと言えるでしょう。
とにかく『不満に感じる部分が少ない』作りですので、ぶっちゃけて言うと本作を楽しめるかどうかは『キャラクターが気に入るかどうかが全て』だと思います。
要はキャラクターさえ気に入れば『120%ぐらいの確率で満足できる内容』だと思いますので、シリーズのファンの方でキャラクターが好みタイプだと思う人なら、Xbox360を本体ごと買ってもほぼ後悔はしないでしょう。
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あと、余談ながら…
この後に続く「インフィニットアンディスカバリー」や「ラストレムナント」が、このハードルを無事にクリアする事が出来るのか?
(「Fallout 3」や「Fable 2」は、明らかにベクトルが違うので問題ないとは思いますが…)
(「Fallout 3」や「Fable 2」は、明らかにベクトルが違うので問題ないとは思いますが…)
次からの作品にも期待したい所ですよ。