■■■「アメリカン・ホーンティング」■■■
(35点/オカルト)
1800年代初頭のアメリカ。
テネシー州のレッドリバーという街で、大地主であるベルは魔女と噂される女性に法定金利以上の利息でお金を貸した事から、彼女から酷い逆恨みをかってしまう。
魔女は『一家に呪いをかけてやる』と言い、その夜からベル家の娘であるベッツィーが、呪いが原因としか思えないような恐ろしい怪奇現象に見舞われるようになる。
頭首のジョンは、なんとかして魔女に呪いを解いて貰おうとするが、魔女は彼らに『呪いなどかけていない』と主張し、やがて呪いの正体となる『恐るべき真実』が明らかになるのだった…
19世紀のアメリカで実際におこったと言われる、『ベル・ウィッチの呪い』と呼ばれる怪事件をベースとしたオカルトホラー映画。
この『ベル・ウィッチの呪い』というのは、アメリカ南部の魔女伝説としては割と有名なものらしくて、現地では20冊以上もの研究書が発行されているポルターガイスト現象事件だそうです。
本作はその伝説をベースとしているらしいのですが、いかんせん200年も前の出来事なので『実話をベース』と言いつつも、かなりオリジナルの考察とかアレンジとかが入った内容のようですが…
お話の方は、いわゆるオーソドックスな『ポルターガイスト現象』もののオカルトホラー映画って感じですね。
家具やベッドが勝手に動いたり、女の子の体が宙に浮いたりと、「エクソシスト」やら「悪魔の棲む家」やらでもお馴染みのシーンのオンパレードと言った内容ですが、女の子が『目に見えない何者か』に宙にぶら下げられて激しく往復ビンタをされるシーンは、結構インパクトがあります。
ただポルターガイスト現象のシーンには最新のFSXを駆使しているという訳でもなく、『ソレって、カメラのフレームの外から人間が手で持って動かしてるだけだよね?』って感じの特撮とかも未だに多くて、どうにも全体的に地味な感じですね。
ストーリーの方も『実話ベース』故に仕方ない部分もあるのかもしれませんが、イマイチ盛り上がりに欠ける地味な内容で、全体的にパッとしない印象は拭えません。
良く言えば『伝統的な作りのオカルトホラー映画』ですが、ぶっちゃけて言うと『古臭い印象のオカルト映画』ですねぇ…
なんとなく全体的に70年代っぽい香りが漂う内容なので、70年代に撮られていたとしたら大ヒット作品になっていたかも?
同じ『ポルターガイストもの』でも「エミリー・ローズ」やら「悪魔の棲む家」やらは、かなり現代風にアレンジされていて面白かったので、本作にももうちょっと頑張って欲しかったところですが…
そもそも、かけてる予算が違うので無茶な話ですか、そうですか?
総評としましては、何とも言えない感じに『地味な印象』のオカルト映画って感じですね。
特にコレといった見所がある作品でも無いので、余程のオカルト映画マニアじゃ無い限りは、特にスルーしちゃって問題のない内容ではないかと…
オカルト研究に興味があり、『ベル・ウィッチの呪い』事件の研究の参考にでも観ておきたいという人ならば、とりあえずチェックしておいても良いんじゃ無いでしょうか?