NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「デッド・ホスピタル」(20点/サスペンス)

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■■■「デッド・ホスピタル」■■■
(20点/サスペンス)

 身元不明の少女を医療ミスによって殺してしまった看護師のゾフィアは、医療ミスの責任を追及されて通常勤務から老人の在宅介護の勤務へと担当を変更されてしまう。

 しかし当日の医療ミスに関わった病院の関係者が、次々と立て続けに変死するという怪事件が発生。

 被害者に『メスによる外傷』があった事から医療関係者が犯行に関わっているのではないかと考えた警察は、ゾフィアが犯人ではないかと疑いを抱くようになり…


 医療事故を発端に起こる謎の連続殺人を描いた、ドイツ製の心霊サスペンスホラー映画。

 何か設定だけ聞くと割と面白そうなんですが、その実態は何と言いますか…『非常に訳が分からない映画』です。

 内容がとにかく投げっぱなしで、リック・スタイナーの『投げっぱなしジャーマン』ぐらいの豪快な投げっぱなしっぷり。

 心霊ホラーをベースにしながらも一応はサスペンス仕立てな内容で、本編の中盤辺りから、少女が死んだ医療事故は『単なる事故では無かったのではないか?』というような謎が提示されるんだけど、最後まで結局何が原因だったのか不明。

 医療事故の関係者が次々と殺されるんだけど、それが『実は少女の霊の仕業なんじゃないか?』というコレもハッキリしない。

 他にもヒロインが最初に交通事故にあって流産する話や、医療事故で死亡した少女が暴行を受けていた形跡がある事やらも、何かの伏線っぽく語られるのですが実際には全く本編に絡んで来ないし…

 とにかく本編で『提示された謎』何一つたりとも解決されておらず、ソレどころかロクな手がかりも与えられないまま『推測の余地も無いほどに一切合財が謎のままで終わってしまう』という『こんなサスペンスってアリなの?』って言うような内容です。

 往年のロシア映画でも、ここまで酷い投げっぱなし映画ってのはあんまり無いですよ…

 それでも、本編がまだ面白いのなら救いがありますが、本編も非常に冗長でダルい展開で大して面白くもなく、引っ張るだけ引っ張ったあげくにマトモな『オチらしいオチすら付かずに唐突に終わってしまう』という謎の構成。

 もしも本作が『2部作の第1部だ』ってのなら納得しますが、コレで『一本の映画として完結した作品』だと言われると流石に困惑してしまいますよ…

 唯一の見所は、割と映像のセンスが良くて、全体的な雰囲気が悪く無いって部分ですが、別にロシア映画みたいに『物凄く印象的だったりスタイリッシュな内容で観てるだけで面白い』って訳でも無いですし、流石にソレだけの為に観る映画でも無いかなぁ…


 総評としましては、一言で感想を述べるとしたら『何じゃこりゃ、訳が分からんわ!!』としか言いようが無いような『豪快な投げっぱなし映画』です。

 もし『全く語られない謎』を自分の脳内で全て補完できるぐらいの『豊かな想像力』の持ち主なら、そこそこ楽しめるかも…

 サスペンス映画の『事件の解決やオチが1mmも無くても我慢できる』という特殊な趣味の人なら許せるのかもしれませんが、私の器量ではそこまでの寛容さは発揮できませんでしたよ。