NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「スライサー」(40点/スラッシャーホラー)

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■■■「スライサー」■■■
(40点/スラッシャーホラー)

 オークションで『いわく付き』の旧式の『プレス機能付きの大型クリーニング機』を購入した修理工のハドリーは、その日から仕事も家族も顧みずに取り憑かれたように機械の修理を行うようになる。

 そんなある日、機械の修理中に誤って怪我をした際に機械が『血を吸う』のを目撃した彼は、機械が血を飲む事を欲していると考え、自分の妻を殺害し機械へと食べさせてしまう。

 そしてその後も、機械の命ずるままに次々と殺人を繰り返して、機械へと人間を食料として与え続けるのだった…


 『いわく付き』の大型機械に取り憑かれた男が殺人を繰り返すという、スラッシャーホラー映画。

 DVDのパッケージにスティーブン・キングの「人間圧搾機」の映画化作品』みたいな事が書かれていたので、『「人間圧搾機」って言うと確かトビー・フーパー監督が「マングラー」ってタイトルで映画化してたよなぁ?』と思いつつ借りてみたのですが、どうやら本作は『「マングラー」に着想を得て作られた作品』という位置付けのようです。

 ちなみにマングラー(人間圧搾機)っていうのは、悪魔に取り憑かれた『クリーニング用の大型プレス機』が、次々と人間を巻き込んでプレスして殺してしまうという、S・キング原作のモンスターホラー映画ですね。

 お話の繋がり的には、マングラー」で廃棄処分となったのプレス機を買い取った修理工が機械に操られて人を殺し続けるという感じのお話で、後日談的な内容になる訳ですが、どうやら正式な「マングラー」の続編という肩書きを得ている訳では無いようで、なんちゃって続編的な作品になるのかな?

 ちなみに原題は「THE MANGLER REBORN」(マングラーの復活)と、それっぽいタイトルになっておりますが、邦題を決める際に何故に「マングラー」という肩書きを外したのかは不明。

 お話の内容的には、殺人鬼になった主人公が『次々と人をさらって来てはプレス機に食わせる』という流れなのですが、たまたま『主人公の家に侵入した空き巣』が監禁されている人を助けようとして自分も閉じ込められてしまい、殺人鬼の目を盗みながら脱出を試みる…とかって、ソリッドシチュエーションスリラー的な展開になったりするのはストーリー的に凝っててなかなか面白いです。

 ただ、肝心の殺人のシーンがやたらと淡々としており、予算の都合もあってか「マングラー」で最大の見所だった『人間圧縮』のシーンが『イメージ映像のみ』っていうのは、やっぱりいただけませんね。

 登場人物に関しても『このキャラが主役扱いになるのかな?』と思われたキャラが、アッサリと次々に殺されていき過ぎるせいで、どうにも感情移入しきれずに盛り上がれないのは難点かと…

 そして何よりもいただけないのは、本作の目玉である筈の『大型プレス機』が物凄く小さい事。

 「マングラー」だと、小型のバスぐらいのデカさがあって『ホントに人を食ってしまいそうな迫力のある機械』だったのですが、本作では一般的なご家庭の一室に収まってしまうようなサイズで、コイツに人間が巻き込まれる事を想像しても、どうにも迫力が無い。

 まあ、前述の特撮シーンと同様に予算の都合上どうにもならなかったのかもしれませんが、コレを「マングラー」の続編的なストーリーと言われても、ちょっと納得は出来かねるなぁ…ってのが正直な所ですね。

 B級といっても一応はトビー・フーパーというビッグネームが監督した映画と比べるのは可哀そうな事かもしれませんが、もうちょっと何とか出来なかったものかなぁ…


 総評としましては、マングラー」の続編として見ると少々辛い部分の多い作品ですが、単純なB級スラッシャーホラーとして観るなら『まあ、思ったよりは楽しめたかな?』って感じの作品でした。

 でも、取り分けオススメする程の内容でも無いですし、オリジナルのマングラー」が好きな層ほど『観るのが辛い内容』だと思うので、いま一つ『どういう層にオススメすれば良いのか判断しかねる作品』ではありますねぇ。

 あと「マングラー」の続編に関しては、実はマングラー2」というタイトルが既に作られていたりもするのですが、コチラはコチラで黒歴史扱いの作品ですので、まああまり触れない方向で…