NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ルール6」(65点/学園オカルト:オススメ)

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■■■「ルール6」■■■
(65点/学園オカルト:オススメ)

 冴えないオカルト好きのオタク少女であるタマラは、その得意な趣味のせいで普段から学園で苛められがちな存在だったが、新聞にアメフト部の薬物使用を告発した記事を書いた事から、仕返しとして酷いイジメにあい、その結果の不幸な事故により死亡してしまう。

 イジメに関わったメンバーは、事故を隠蔽するために彼女の死体を森の奥深くに埋めて事件を隠そうとするが…

 何故かその翌日に、死んだ筈のタマラは『セクシーな美女』の姿となって学校へと登校して来て、彼女を不幸へと巻き込む原因となった相手たちへと、魔術によって得られた不思議なパワーを用いて復讐を開始するのだった。


 不慮の事故によって死亡した苛められっ子が魔術のパワーによって復活して復讐を果たすという、学園オカルトホラー映画。

 タイトルは一応「ルール6」となっていますが、「ルール」シリーズは「ルール1~2」と「ルール 封印された都市伝説」以外のタイトルは、全く別作品の『なんちゃって続編』ですので、本作もご多分に漏れずに今までのシリーズとは全く関係の無い作品です。
 (ちなみに原題は、そのものズバリ「TAMALA」(ヒロインの名前)です。)

 というか本作に及んでは、最早『都市伝説』も『見立て殺人』の何も関係ないですし、『邦題での「ルール」シリーズの選択基準って何よ?』って感じなんですが…

 でも、適当な邦題による『なんちゃって続編』の是非は置くとして、本作はコレが意外にもなかなか良く出来た『掘り出し物の学園オカルトホラー』だったりします。

 何が良く出来ているって、ホラー物とは思えない程に『ストーリーのプロット』が非常に秀逸。

 苛められっ子である「タマラ」が、『いかにして不幸にも死んでしまったか』を描くプロセスに、主要の各キャラクターの背景を組み込んで説明する流れの上手さや、復活した事によりまさに『豹変』したタマラが『苛めっ子よりもはるかに怖い存在』になっていく事を描く話の流れも非常に上手いです。

 他にも、彼女が『何故に死後に復活したか』といった理由の伏線がキチンと序盤で張られていたりと、とにかくストーリー上での伏線の回収っぷりが秀逸で、お話が全く投げっぱなしになっていない点も好印象。

 また残虐シーンはそこまで強烈では無いですが、ブラックユーモアに満ちた『エゲつない復讐の仕方』がなかなかに良いセンスをしており、残酷なんだけどちょっとだけ笑えてしまったりするのも、いかにも学園ホラーらしくてグッドです。

 お話の展開も非常にスピーディで、アクションシーンなんかもそこそこ盛り込まれていたりして、中だるみを感じさせない展開の早さも十分に及第点。

 まあ、低予算ゆえの『B級臭さ』が抜けきらない部分はありますし、欲を言えば『もうちょっとエゲつない殺害方法があっても良かったかな?』とか若干の不満はありますが、コレは久々に正真正銘の『掘り出し物』と言って良いレベルの作品でしょう。


 総評としましては、ホントに『B級学園ホラー』のお手本的な作りの作品と言ってしまって良いぐらいに、良質な佳作ホラー映画と言える一本です。

 『学園ホラー』ものが好きならば、ごく普通に観ておいて損は無いレベルだと思いますので、「ルール」とタイトルに付いててもシリーズとは何も関係ありませんので、気になるようならシリーズの事は気にせずにチェキしておいて良いでしょう。

 逆に「ルール3~5」は結構ションボリな出来だったので、『シリーズタイトル』を付けたせいで売り上げが落ちてしまうんじゃないかというのが心配なぐらいですよ。
 (というか私は、5があまりにクソだったので6を借りるのは正直迷いました。)

 これだけ良く出来たB級ホラーなら、普通に広告打って発売すれば良いのにのぅ…