■■■「グリズリー・パーク」■■■
(20点/生物パニック)
アメリカのアルバラードで軽犯罪を犯した若者8人が、『懲罰』の奉仕活動として森林地帯の奥深くにある国立自然公園である「グリズリー・パーク」の清掃を命じられる。
監視官から自然の危険さを教えられながら、不承不承に奥深い森林の中へと足を踏み入れて行く若者たち。
しかし森林の奥には、この一帯ではほぼ絶滅した筈の巨大な血に飢えたグリズリーが、冬眠に備えての食料を求めてさ迷っていたのだった…
自然公園で奉仕活動中の若者たちが巨大なグリズリーベア(灰色熊)に襲われるという、生物パニックホラー映画。
まあ何と言いますか、語ろうにも何も『低脳な若者たちが森の中でグリズリーに襲われる』という、ホントにただそれだけの内容の作品です。
とりあえず、本作をひと言で評するならば『非常にダルい映画』ですな…
序盤の展開で『逃亡中の殺人鬼』がストーリーに絡んでくるという意外な展開を見せたり、また『グリズリーに襲われる事になる若者たちのキャラクターが非常に丁寧に描かれる』事に好感を感じながら観ていたので、最初の30分ぐらいは『これは割と面白そうかも?』と思っていたのですが…
とにかく肝心のグリズリーが、サッパリ出てこない。
40分経っても50分経っても『若者たちのキャラクターを延々と描くだけ』の時間が続く…
60分経った辺りで、ようやくストーリーが前に進み始めたと思いきや、やっぱり熊は登場せずに熊に襲われた死体を描写する『イメージ映像』みたいなシーンがちょっと出てくるのみ。
結局、マトモに熊が登場するのは95分の本編を80分ぐらい過ぎた辺りで…しかも襲撃シーンは『熊の手の着ぐるみ』とか、流石に『視聴者を嘗めてんのか』と言いたい…
序盤で意味ありげに登場した殺人鬼は、本編にサッパリと絡んでこないままに勝手に死んじゃうだけだし、プロットの無駄遣いもいい所。
しかも本作の困ったところは、『割と面白そうな展開になりそうな雰囲気』を引っ張ったまま80分間ダルいシーンが続いた後に『物凄くしょうもない襲撃シーン』を見せられるだけなので、単なるクソ映画よりもある意味でタチが悪いかも?
唯一、ラストの『お姉ちゃんの巨乳はニセ乳か否か?』の『オチ』だけはちょっと笑えましたが、少なくともオチの5分程度のネタを観るために、どうでもいい話を90分間我慢して観続けるのは、流石に拷問でしかないですなぁ。
総評としましては、オチを知ってから本編の構成を改めて観てしまうと『とてつもないぐらいダルいだけの映画』としか言いようが無いような作品です。
全編を通して見所が全く無いうえに『だから、どないやねん?』というような内容で、生物パニック映画としては正直言って『どこを誉めたら良いのか見当も付かないような作品』ですが…
『若者たちが自分の過去に犯した犯罪を語る流れ』の部分は、なかなか面白かったので、まあそれでオマケして15点ぐらいかなぁ?
でも『純粋に生物パニック映画として観ると5点ぐらいの内容』なので、少なくとも『普通に生物パニック映画が観たい人は観てはいけないタイプの作品』だと思いますよ…