■■■「殺人遊園地」■■■
(55点/スラッシャーホラー)
女子大生のキャシーは、ルームメイトのリズやクラスメイト達と共に車に乗って、ニュージャージーの方面へとバカンスに出かける事になる。
バカンスの道中で、たまたまテーマパークのチラシを見つけた彼らは、ニュージャージーのアズベリーパークという寂れた遊園地の「ダークライド」というホラーアトラクションにて、約20年前に施設の中で連続殺人事件が発生したというウワサを聞く。
彼らは、面白半分に『深夜の遊園地に侵入して「ダークライド」の建物の中で一晩過ごす』という度胸試しを行う事を提案するが…
おりしもその直前に、精神病院から逃げ出してきたかつての連続殺人鬼「ダークライドマン」は、再び犯行現場へと導かれるように、「ダークライド」へと訪れようとしていたのだった…
遊園地のお化け屋敷のアトラクションの中で若者たちが謎の殺人鬼に襲われるという、スラッシャーホラー映画。
まあ何と言いますか、典型的な感じの『怪人っぽい殺人鬼が登場するスラッシャーホラー映画』ですな。
全体的に非常にソツなくまとまった感じの内容で、良い意味でも悪い意味でも『いたって普通のスラッシャーホラー』といった印象の作品です。
『寂れたお化け屋敷のアトラクションの中で殺人鬼に追い掛け回される』というシチュエーションは、なかなか良い味を出しており、チープで悪趣味な感じの『お化け屋敷』の建物が逆に不気味さをかもしだしており、雰囲気はなかなか良い感じです。
ホラーとしての見せ方や見せ場なども割とシッカリと作られた印象で、全体的に非常に丁寧に作られている事を感じさせますが、スラッシャーホラーとしては殺人鬼の特徴やらが紋切り型すぎて、本作ならではの特徴に乏しいのは惜しい所。
せっかく、遊園地のアトラクションを舞台にしているんだから、もうちょっと『お化け屋敷ならではのギミック』を利用したような殺人方法とかも準備して欲しかったところですね。
そういう点も含めて、殺人鬼には『もうひと頑張り』して見せ場を増やして欲しかったかなぁ?
あとストーリーも悪く無いのですが、序盤がテンポよく進むのに対して、中盤の『殺人鬼の生い立ち』とかを語るシーンが、がやや中だるみして冗長な印象を受けるのは欠点かな?
いくらなんでも、あそこまで仔細に殺人鬼の過去を語る必要は無かったのでは…
中途半端で後味の悪いオチは人によっては賛否あるかもしれませんが、個人的には非常にホラー映画らしくて良い落としどころだと思いました。
(まあ、終盤で若干オチが読めてしまうのは難点ではありますが…)
総評としましては、まあ『良くも悪くも、ごく普通のスラッシャーホラー映画』と言った感じの作品ですね。
かなり安定した出来栄えの作品ですので、『怪人っぽい殺人鬼が登場するスラッシャーホラー映画』が好きな人なら、ごく普通に観ておいても損はしないタイトルだと思います。
ただ、もう一歩『本作ならではの個性』があれば、もっと良作に成り得たと思うので、そういう意味では少々勿体無い感じの作品ではありますね。
最近の完全な新作で、ここまで『安定した作り』のスラッシャーホラーは余り見かけなかったと思うので、その手のノリが嫌いじゃ無ければ割とオススメの一本と言えるでしょう。