NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ジュラシック・レイク」(60点/モンスター:結構オススメ)

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■■■「ジュラシック・レイク」■■■
(60点/モンスター:結構オススメ)

 アメリカのスペリオル湖で、妄想癖のある老人のショーンが湖で『ネッシー』を目撃したという、奇妙な話を始める。

 ショーンの甥で湖畔でボートハウスを経営するジョシュは、叔父の話をいつもの妄言と考え話半分に聞くが、『ネッシーの写真を撮る』と息巻いていたジョシュは、その翌日に何か巨大な猛獣に襲われたと思しきバラバラ死体となって発見される。

 そんな矢先、ショーンの噂を聞きつけた『未確認生物学者』を自称するジェームスと名乗る男性が湖へと現れ、ジョシュへとガイドを依頼して独自の機材を用いた『未確認生物』の追跡を開始。

 その後もバラバラ死体の発見は相次ぎ、警察は巨大なワニの仕業では無いかと推測し調査を開始するが、死体からは『未知の生物のDNA』が発見されるのだった…


 アメリカのスペリオル湖に突如として現れたネッシーが人間を次々と襲うという、モンスターパニック映画。

 パッケージを観るとティラノサウルス風の恐竜』や『戦闘ヘリ』の絵が描かれてますが、そんな物は本編に全く登場せず、むしろ『別の映画のパッケージを間違って付けちゃったんじゃない?』って感じのノリですが、まあアルバトロス系の映画では良くある事なので、あまり気にしない事としましょう。

 本編では、プレシオサウルス」と言う設定の巨大生物が登場して人間を襲撃するというお話ですが、プレシオサウルスの割には足が『ヒレ足』ではなく普通の4足歩行となっており、なんとなくレイ・ハリーハウゼンの映画に登場するドラゴンを彷彿とさせるようなデザインで、どちらかというと怪獣風ですね。

 デザインもさる事ながら、この「プレシオサウルス」が、通常の武器では全く傷つける事が出来なかったり、ただの『未確認生物学者』が軍でも持ってないような怪物に対抗する為の超兵器と持ってたりと、全体的にリアリティよりも怪獣映画的なノリが漂う作品です。

 ただし、リアリティという部分さえ気にしなければなかなかに良く出来た作品で、ストーリーの運びは生物パニック映画の教科書どおりですが、お話のテンポが非常に良く、CGや特撮の品質もB級ホラーとしては結構高め。

 アメリカのスペリオル湖に唐突に「プレシオサウルス」が現れた事の理由付けや巨大生物の設定もそこまで破綻してないですし、母体の巨大プレシオサウルス以外に幼獣が大量に出現したりする「ジュラシックパーク2」敵な展開があったりと、『視聴者を飽きさせないような作り』にしようとする努力が見られる辺りは、なかなかに好感触です。

 予算の関係で、全体的に登場人物が少なく『小ぢんまりとしたお話』になってしまっているのは難点ですが、まあでも少ない予算の範囲内で上手く物語を組み立てている作品であるとは思います。

 ラストシーンで唐突に主人公とヒロインが『いい感じ』になってみたりとか、他にも色々と蛇足的な部分も感じられますが、まあ別に本編が破綻するようなレベルでも無いので問題ないでしょう。

 惜しむらくは、この作品ならではの『突出した個性』という部分に乏しく、手堅いんだけどインパクトが薄いという点でしょうか?
 その辺が、もうちょっとシッカリして居れば傑作になったのではないかと思われるので、ちょっと残念な部分ではありますね。


 総評としましては、決して傑作でもないですしA級にも成れないレベルではありますが、総じて手堅い水準でまとまった『佳作のB級モンスターホラー映画』だと思われます。

 強くプッシュする程の内容ではないですが、B級モンスターホラー映画が好きな人ならば『ごく普通に楽しめる水準の作品』だと思いますので、そういうネタが好きならば観ておいて損は無いレベルの一本だと言えるでしょう。

 『未確認生物ものホラー』って当たりの作品が非常に少ないジャンルですので、その手の作品が好きならば結構オススメですよ。